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12月。
雪がちらちら舞う札幌。(もう少ししたら舞うどころじゃなくなる札幌。)
街がクリスマス色にそまる札幌。
「寒すぎてやばい。」
「北海道だもん。仕方ない。」
関西から来ている遥輝くんはまだ北海道の冬の寒さに慣れていない様子。
そんなあたしたちは、朝からジャージにウィンブレ、マフラーという部活をしている中高生のような防寒対策をして広い公園に来ていた。
遥輝くんに至ってはスポーツマンなので違和感はないけど、あたしはこんなかっこうをするのは久しぶり。
この時期の午前中ということもあり人がまばらで助かる。
何をするのかというと…
「はい。」
遥輝くんがあたしにグローブを渡す。
「ありがと。」
そう。
付き合って初めて、あたしは遥輝くんとキャッチボールをする。
今度の休み、何しようか?と話しているときに、思いつきでキャッチボールをすることになった。
あたしと遥輝くんはある程度の距離を開けて向かい合った。
ちょっと遠くにいる彼にあたしは声を張る。
「あたしノーコンだけど許してねー!」
「えー、許さへーん。」
遥輝くんがふざけて返事をする。
「いくでー」
「うん!」
と、遥輝くんがあたしにボールを投げる。
弧を描いて、キレイにあたしの前へボールが飛んできた。
パシ、といい音を立ててあたしの構えたグローブに収まった。
「うまいやん、捕るのは。」
遥輝くんが笑う。
うん…まあ遥輝くんのコントロールのおかげもあるけど捕るのはわりと自信あるんだ。
投げるほうは、どうだろう?
「いくよ?ましで暴投するかもしれないからね?心して構えてね?」
「おう、気をつけるわ…」
あたしは遥輝くんのもとへ、ボールを投げた。
えいっ。
するとあたしが思っていたよりもはるかに…
「別にひどくないやん!」
うまく投げれた。
「想像よりずっとマシや!」
「そんなにひどい想像してたの!?」
あたしは、想像よりずっと、遥輝くんとのキャッチボールが楽しかったよ。
お互い飽きもせずボールを捕まえては投げて。
こんなデート?もいいなって思った。
もし将来遥輝くんと家庭を作れるなら、こんな素敵な休日が訪れるかもしれないな、なんて。
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あい - はじめまして!すごくドキドキしながら読ませていただきました!応援してますので頑張ってください!細かいんですがCSに日ハムとソフトバンクが進出したなら同じリーグの西武が出てくるのはおかしいかと、、。前作での札幌ドームでの試合でも1塁はビジターですね (2016年4月12日 14時) (レス) id: 1b297d5347 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ルフナさん» 残念でしたね…。またもやちょっと泣きました。これで私のヒーローたちのシーズンが終わってしまいました。また来年も西川くんが開幕スタメンを勝ち取れるように祈りましょう。 (2015年10月13日 0時) (レス) id: bc8ef88aec (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - うどんさん» そんなふうに言っていただけて本当にありがたいです!見て下さってありがとうございました!道民なんで方言わかんなすぎてどうしよう!って感じでしたけどよかったです笑 (2015年10月13日 0時) (レス) id: bc8ef88aec (このIDを非表示/違反報告)
ルフナ - 咲良さん» ファイナルステージ出場できなくて残念です…あと一点がなかなかとれず…悔しい試合でした!ホークスと戦ってるところ見たかったなぁ…私はホークスも好きなのでここからはホークスに頑張って欲しいです!選手の皆さんお疲れさまでしたー! (2015年10月12日 23時) (レス) id: cae83cd11e (このIDを非表示/違反報告)
うどん - コメント失礼します!!!,なまら可愛かったです!!,たまに博多弁出る中島とか,!!関西弁のはるきとか!!まじでもう可愛すぎて,発狂もんでした… (2015年10月12日 21時) (レス) id: c0677d91fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲良 | 作成日時:2015年8月10日 1時