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少し離れたところから、メンバーのみんなの様子を見てた。


すごい、と思った。


絆の強さを見せつけられて
そこには絶対に入り込んじゃいけないと、
入り込めないと思った。


なんとなく、みんなと顔を合わせづらくて、
そっと背中を向けてその場を去る。


事務所を出ても、家に帰る気にもならず、
結局向かったのは、昔家族で住んでいた家。


鍵を開けて中に入り、
真っ直ぐ、ピアノ部屋に向かう。


そこに静かに存在する真っ黒なグランドピアノ。


ピアノの前に座り、音を鳴らしてみる。
あぁ、私のピアノの音だ。


その音を聴いたら、何かスイッチが入ったように
私の手が動いた。
ひたすら、感情のままに弾き続ける。


西島さんへの想い。
実彩子さんへの想い。
見せつけられたメンバーの絆。
私という存在の意味。


そういうごちゃごちゃを、
ピアノにぶつけた。



そうだ、と思い出して北海道の華音ちゃんに
頼まれていた楽譜を探す。
パッヘルベルのカノンの楽譜が欲しいと言っていた華音ちゃん。
他にも華音ちゃんの歳くらいに弾いていた曲が
載ってるものを何冊か取り出す。


「このくらいでいいかな?」


私とメールしたいと、
発表会のご褒美にキッズケータイを買ってもらったという華音ちゃんにメッセージを送る。


『ちかいうちに、がくふ、おくるね。』


すぐに返事が来て


『わーい( ˆoˆ )/
ありがとう!』


かわいい顔文字に思わず笑みが溢れる。
そして、未読になってるLINEの件数を見て、
ため息。


ほとんど西島さんから。


『どこ?』
『家帰ってる?』
『体調悪い?』


『これ見たら連絡して。』


と30分前。


なんて返そうか…。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ちゃんうめさん» ちゃんうめさん。コメントありがとうございます!温かいコメント頂いてとても嬉しく、こちらこそ感謝です☆ (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» 由希さん、ありがとうございます!やっと続き書き始めました!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - りんさん» りんさん、ありがとうございます!すっごく嬉しいです。続編、書き始めたのでよかったら引き続きよろしくお願いします! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いろんな方の小説がある中で、やっぱりこの話が1番大好きです本当に( ; ; ) ずっとずっと読み続けたいです…お話楽しみにしてますね! (2018年5月17日 21時) (レス) id: 76f9ce82a3 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 4終了お疲れ様です。続き楽しみに待ってます (2018年5月16日 23時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年4月14日 21時

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