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185 side Nissy ページ35

るりと花井が部屋を出てったあと、
一瞬静かになった部屋。


実「花井くんってるりちゃんのこと、


好きなんだね。」


ス「そうなんだよなー。いつの間にって感じ。
るりちゃん、いい子だし、
狙ってる奴も多いんだよなぁ。」


與「そうなん?」


ス「そうですよ。ね、にっしー?」


と俺に話が振られるけど、
俺はその話が全然聞こえてなくて。


與「にっしー?」


與の呼びかけではっと我にかえる。


何?と問えば、


與が

與「なんか調子悪そうやな?
そろそろみんな帰ろか?
実彩子ちゃんも、途中まで一緒に行こ。」

ん?
聞いてなかったけど、別に調子は…と思ったけど
声に出せないまま、與のペースで話が進んでいく。

実「え、あ、うん。」


ス「じゃあ、お大事にー。」


実「隆弘、また連絡する。」


與「じゃあな。」


ゾロゾロと部屋を出てくみんなを見送り、
ため息をつく。



ゴロンとベッドに横になって、
手で顔を覆う。



どのくらい時間がたったのか、
考えるのはるりのことばかり。


俺は、あいつを傷つけてばかりだ。
やっぱり手放したほうがるりのため?


一人で想ってるだけなら、
こんなに辛くなかった。
口にしてしまった好きという想い。
一生懸命伝えてくれた、るりの想い。


なかったことにしたほうが、
楽なのかもしれない。


その時、
病室のドアがノックされ、がらっと開いた。
驚いて体を起こすと、


與「忘れ物したんや。」


與がそこにいた。


何を忘れたのかと思い、周りを見回すと、


與「ものじゃないで。
忘れたのは、にっしーに言うこと。


なぁ、るりちゃんのこと、
ほっといていいん?
このままじゃ、
優しい男に流されてしまうんと違う?

俺は詳しいことはわからへん。
でも、にっしーと、実彩子ちゃんと、るりちゃんの間に何かあるのはわかる。


今、にっしーは、話せへんから、
余計に誤解を生むやろ?

それが嫌なら、
やるべきことはひとつやで。」


その言葉は、
俺の心にガツンと喝をいれてくれた。

サイフとスマホを持って
筆談に使っていた紙に、


サンキュ。
行ってくる。


と書く。


與「タクシー、下に待たせてある。」


ひらひらと手を振る與を背に、
俺は走り出した。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ちゃんうめさん» ちゃんうめさん。コメントありがとうございます!温かいコメント頂いてとても嬉しく、こちらこそ感謝です☆ (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» 由希さん、ありがとうございます!やっと続き書き始めました!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - りんさん» りんさん、ありがとうございます!すっごく嬉しいです。続編、書き始めたのでよかったら引き続きよろしくお願いします! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いろんな方の小説がある中で、やっぱりこの話が1番大好きです本当に( ; ; ) ずっとずっと読み続けたいです…お話楽しみにしてますね! (2018年5月17日 21時) (レス) id: 76f9ce82a3 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 4終了お疲れ様です。続き楽しみに待ってます (2018年5月16日 23時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年4月14日 21時

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