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点滴が始まり
だんだん近くなってくる手術の時間。


「るり、今日は家に帰っていいからね。
ちゃんと休んで。

明日は仕事だろ?

あ、
そうだ、そこのバック、とって。」



私からバックを受け取った西島さんは、
中から、CDケースを取り出す。


ホントはさ、
データを送れば済む話だけど、
と言って私にそれを渡す。


西「家に帰ったら、聞いて。」


この前と同じ、CD。


西「昨日、ここに来る前に、
録ったんだ。」


もし、最後になるなら、
るりのために歌いたい、

そう思ったんだ、と
言った西島さん。


「…も、もうっ!
何言ってるんですか?

仕事がこれでもかって、
待ってますからね!

スウェーデンも、
待ってますからね!」


と西島さんの手を握る。


その時、西島さんのスマホが鳴る。
着信相手は
実彩子さん。

ちょっとごめん、と
電話にでる西島さん。


西「もしもし。

うん、大丈夫だから。


え?


うん。平気そうなら連絡する。

じゃあ。」


電話を切って、
ひとつ、ふぅと息を吐くと、


西「心配してるって、実彩子から。」



実彩子さんだって、
西島さんのことが心配でたまらないだろうに、
私がここにいていいのかと
罪悪感を感じる。


西「思ってること、顔に出過ぎ。

全部、俺のせい。
中途半端な俺が悪い。

るりが気にすることないから。」


と頭を撫でられる。
それでも、
チクリと痛む胸。



その後すぐ、
西島さんを呼びに来た看護士さん。



部屋を出ようとした足を止めて、
振り返る西島さんの指がそっと
私の頬を撫でる。


西「行ってくるね。」


「はい。

ここで、待ってます。」


精一杯の笑顔を浮かべる私に、
触れるだけのキスをして西島さんは
部屋を出ていった。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ちゃんうめさん» ちゃんうめさん。コメントありがとうございます!温かいコメント頂いてとても嬉しく、こちらこそ感謝です☆ (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» 由希さん、ありがとうございます!やっと続き書き始めました!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - りんさん» りんさん、ありがとうございます!すっごく嬉しいです。続編、書き始めたのでよかったら引き続きよろしくお願いします! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いろんな方の小説がある中で、やっぱりこの話が1番大好きです本当に( ; ; ) ずっとずっと読み続けたいです…お話楽しみにしてますね! (2018年5月17日 21時) (レス) id: 76f9ce82a3 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 4終了お疲れ様です。続き楽しみに待ってます (2018年5月16日 23時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年4月14日 21時

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