大好きな人は。2

81 side Nissy ページ31

何を言ってるのか、聞こうと思ったとき、


姉「タクシー来たよ！」


と言う姉の声。


西「じゃあ、母さん。またな。」


と立ち上がると、


「隆弘、体に気をつけてね。

るりちゃん、隆弘のこと、
お願いね。」


はい、と返事をする速水。


二人でタクシーに乗り込み、
走り出すタクシーに空港に向かってもらうように告げる。


西「なんか、うるさくて疲れただろ？

ごめんな。」


「いえ、すごい楽しかったです。

やっぱり帰る場所があるって、
いいですね…。」


西「…あ、そうか…。」


「あ、私も家はあるんですよ。

実家、そのままにしてるんです。
まだ、手放せなくて…。

って、何言ってるんだろ私。

すみません、気にしないでください。」


悲しそうに笑う速水。


西「華音のこと、ありがとな。

それにしても、やっはり、
ピアノ弾けるんじゃん。
すごかった。

そっちのスタッフとしても仕事できそうだよな。」


「卒業してから、
ピアノ弾いてなかったから。


久しぶりに弾けて、楽しかったです。」


なんて話してたら、
速水のスマホが着信を知らせる。


ちらっと見えてしまった画面表示。


『花井さん』


電話に出るのを躊躇ってる様子は、
俺がいるからか？


西「出ていいよ。」


と一言。

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