【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ7)

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ツンと鼻をつく香水の香り

あまり得意ではない

「くせぇ〜」

今日の私のエスコート役は蘭たん

蘭たんも香水の香りがあまり好きではないようで

「Aもつけてる？」

「うん、すぎるが買ってくれたやつ」

「うわすぎる好きそ〜、この匂い」

露骨に嫌な顔

こうじゃなければ
スーツ姿似合ってるね
って素直に言えるのに

「…hacchiからのプレゼント？」

胸元に目を落とす蘭たん

下を見るとほんの少しカプセルが顔を覗かせている

「あ、見えてる」

自分で隠そうとするより前に
するりと間に入ってくる蘭たんの指

「ちゃんと隠しなよ」

何を考えているんだか
何も考えていないんだろうな

「…ごめん」

「とりあえず、作戦は15分後に決行。お前の音声と位置は確認してるけど万が一何かあったら連絡して」

奥歯に設置したマイク付きのGPSカプセルを強く噛んで潰すと
蘭たんに通知が行くようになる

まだ1度も使ったことは無いけれど

「今回の相手はかなり手が早い厄介な男みたいだから油断するなよ」

「分かってるよ」

今日は仮面舞踏会

お互い仮面を顔にそわせると小さくうなづいて絡めていた腕を離した

これからが本番