【na･po･li】ナポリの始末屋たち (ページ40)

今日:32 hit、昨日:29 hit、合計:12,663 hit

code:39 ページ40

私の中で薄くなっていたお兄ちゃんの存在

一緒にいた時間が遠い昔すぎて
いつの間にか声もあまり思い出せなくなっていた

「俺さ、親友を殺したんだって思って。Aにどんな顔して良いのか今でもわかんねぇのよ」

喋りたいのに声が出ない

声を出したら
何かわからない涙が出てきそうで

お兄ちゃんを思っての涙が
蘭たんを思っての涙か

全身が震える

固く握られた私の手に添えられた大きな手

hacchiの存在に安心する

「…お兄ちゃん達が死んだのは事故じゃないの？」

「俺らのせい」

俯いていたshu3が1番に声を出した

「事故に見せかけて、俺らが殺した。俺が運転手を撃って車の操縦不能にして事故らせた」

「shu3だけちゃう、助けに来たフリしてAの両親刺し殺したんは俺やもん」

「いやすぎるさんよりもshu3よりも、俺がAのお兄ちゃんに打ち込む薬作った」

みんながみんな
何かを抱えている

みんながみんな
思い出している