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この2週間でこの部屋のことは知り尽くした
どこに何があるか
パソコンの暗証番号だって知っている
「…よし、開いた」
無防備なパソコン
無防備な五條浜
慣れた手つきでパソコンを開きあさっては
これじゃない、これじゃない、と消す
「あった…流された顧客リスト…」
またも無防備な五條浜がメールを残しっぱなしにしているものだから
『顧客リストの準備が出来たので今夜、いつもの場所で』
なんてメールと、その時にメモリースティックにコピーしたであろう顧客リスト
しかしこれは何の顧客リストなんだろうか
「もっと重要なものがあるはず」
ファイルの奥の奥の奥の底
ロックのかかっているファイルを見つけた
ロックさえ開けばこっちのもん
ロックさえ、わかれば
手が止まる
答えられる回数は限られているはず
落ち着け私、落ち着くんだ
《A、ヤバい、五條浜と蘭たんが帰ってくる》
耳に流れてきたのはhacchiのそんな言葉
《五條浜が用事切り上げてもう戻るって言うたらしいわ、大丈夫？》
すぎるのヒソヒソ声
窓から外を見ると五條浜の愛車
あの距離なら5分
ここはビルの最上階
もって6分
証拠集めを辞めるか、否か、
いける
私なら
いける
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作者名：温田 | 作成日時：2022年7月3日 18時
