1L ページ1
高校2年生になったのにも関わらず、クラス替えごときできゃあきゃあ言ってる男女を横目に私は自分のクラスを確認して靴箱の中へさっさと歩いていった。
ああ、多分一番乗りなんだろうな。
教室のドアを開けると、寝ている男の子がひとり居た。黒板の上に貼られている座席表を確認すると、どうやら隣の席のようだ。
座席に座り、近くでその男の子をよく見てみる。
あ、この人有名な子だ。不良なのに頭が良いっていう、
『ゾムくん』
zm「あ？誰やねん、お前。俺が寝てんのに邪魔すんなや」
思わず、名前を口に出してしまっていた。
「すみません、起こすつもりはなかったんですけど…私はここで本読んでるので、気にしないでください。」
zm「誰やねんって聞いてるやろ。名乗れや。」
『Aです。ゾムさんの、隣の席。迷惑は絶対にかけないって約束するので、殴らないでくださいね。』
「誰がお前みたいな女殴ると思ってんねん。まあええわ、あとその気持ち悪い敬語やめてな。」
『ああ…はい。あ、うん。』
そうして、私は読書を始めた。
するとゾムくんは私の方をじっと見ていた。
zm｢お前さあ…陰キャなん？」
『率直な質問だね。友達がいないって訳じゃないけど…クラス替えに興味ないし。』
zm「ほーん。今どきクラス替えで騒いでる奴、目障りやもんなあ。」
『そこまでは思ってないですけど…』
「敬語やめろって言うてるやん！お前、珍しいなあ。俺の事見たらほとんどの人は教室から出ていくのに。」
ゾムくんが笑って、ギザギザの歯が見えた。
zm「ま、1年間よろしくな。俺の気ぃ悪くさせんでな？」
そうして、高校2年目が始まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨木 | 作成日時：2023年3月11日 20時
