出来損ない「第1話」 ページ2
ーー
私の家は代々続くヒーロー家系だった。
当然、私の父はヒーロー。
しかも、そこそこ有名な。
そして、私が生まれた。
個性は当然、ヒーローの血を引いているのだからさぞかし、戦闘の才能もあるだろう。
それに、私もそう思っていた。父のようなヒーローになれると。
だけど
10歳の時、私は自分の体に異常があることを感じた。
夏なのに、手足の先や、体全体がとてつもなく冷たかった。
父は私を病院に連れて行った。
入院を勧められ、様子見と言われた。
医者にも原因がわからなかった。
3週間が経ち、一向に冷えは収まらない。
すると医者は体内で何がが起こっているのではと、
検査を始めた。
レントゲンを撮ってもらった結果、内臓が凍っていた。
衝撃的だった。
医者には、個性が関係しているのでは、と言われ、
調べた結果、この「冷気」が関係していた。
「冷気」は常に−200度の冷気を纏とう。
私はこの個性を近づくものを全て凍らせるという個性だと思っていた。
父もその個性を聞いてとても喜んでいたし。
だけどそれは、私の体内も同じように凍るという。
通常、−200度なんて、耐えられるわけない、
が、私の体が異常なのか、何故か今まで耐えられていた。
こんな病状は見たこともなく、医者にはとりあえず制御できるまで体を温めるしかないと言われた。
しかも、もし制御できたとしてもあまり動いてはい
けないらしい。
また同じようななるから。
父はこれを聞いた時、まず私に
「こんなゴミ個性を持った子を育ててたなんてな、こんな個性じゃ、ヒーローなんて、ともかくまともな生活さえできるわけねぇよ。」
そう言った。
私は意味がわからなかった。
あんなに優しかったのに、今までの言葉は嘘だったのか？と。
そして、家に帰るなり、父は私に暴力を振るい、タバコを買いにいけと、言われた。
「もうお前に期待はしない。出て言って欲しいくらいだ。..だが、俺のこの10年間をどうしてくれるんだ？え？どうせお前は家を追い出したって生きていけるはずないんだ、なら俺の身の回りの世話でもするんだな。」
私は外に出て、泣いた。
かで信じていたのだろう、父のあの時の言葉は本音から出た言葉ではないのだろうと、だけどこれで確信した。
私は愛されてなんていなかった。
それに
これから毎日こんなのが続くだろうが、もうすこしの辛抱だ。
確か親戚はいなかったよね？
まぁ..遺産くらいは..いいように貰ってやるよ。
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作者名：ヒロアカ好きのサラリーマン | 作成日時：2018年10月25日 21時
