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「誰かの無駄話で大幅に遅れたなぁ」
『不甲斐ない……』
「不甲斐ない、の使い方間違ってるよ。ここは謝るところだから」
『すみません』
「遅い」
袋を背負ったまま奥の部屋へ進んだ。
お隣からのクレームもようやく止んで、
代わりに静かな声が私達を迎えてくれた。
「よく来たね、2人とも」
「ご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
『こんにちは、お館様』
「…ちょっと黙っててくれる?」
「いいんだよ、無一郎」
私が来ることは既に伝えておいたので、
お館様は平隊士が現れても驚かない。
まぁ流石に私にも礼儀はあるので、
先にむいくんにターンを譲った。
……といっても、記憶がない彼だ。
ほぼほぼの説明は昨晩帰ってきた銀子によって伝えられているらしく、むいくんは1通の書留を渡しただけ。すぐに終了した。
「ではAだね。話とは何かな?」
『はい。近々予定されている炎柱様のとある任務についてお願いがございます』
私は一応煉獄家に預けられた身だ。
まぁほぼ蝶屋敷に居候してるけどさ。
煉獄さん任務多いんだもん………。
千寿郎くんのお手伝いはしてるけど、
それでもめっちゃ暇なんだよ…。
でもお陰で煉獄さんの動きが分かる。
昨日、新任務が入ったことを聞いた。
炭治郎達も回復してきているし、既に任務にも赴いている。タイミング的にもピッタリだ。
『私、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助。そして霞柱様を任務に同行させて下さい』
「……はぁ?」
これが私の作戦。
無限列車で猗窩座を倒す気はない。
現実的に考えて、無理だ。
まだ誰も痣を発現していない状態で勝ちにいくのはあまりにも無謀。
だけど煉獄さんは絶やしてはならない。
そこで考えたのがこの戦略。
私も同行し、猗窩座を怯ませる。
なおかつむいくんも同行させるのだ。
そうすれば彼の経験値も上がり、
黒死牟戦での生存率が高まる。
むいくんだけ特別扱いしてしまうのは、やっぱり彼が1番大好きな推しだからかもしれない。
でも、どうしても生きてほしい。
彼を生かせるために必死で考えた策。
更に皆も救わないといけない。
これしかないと思った。
『お館様にはお話しした通り、これは大きな戦いになります。それに来るべき戦いにも影響が及ぶ故、1人たりとも失うわけにはいかない』
「分かったよA。検討しよう。
でも、無一郎の気持ちも大切だからね」
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さつむいこん(プロフ) - 楪日織さん» もう26位まで落ちてるわ…、見たかったな。忙しいのにわざわざ報告ありがとう〜! (2021年7月1日 21時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 鬼滅タグランキング今1位だよすごい……!おめでとうさつむいこん!! (2021年7月1日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 私にとってはハイキュー!!さんが優しすぎて尊いです。ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 尊さの塊ですね! (2021年6月15日 19時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - さつむいこんさん» こちらこそ!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年5月28日 16時) (レス) id: d652f69505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年2月7日 8時