今宵は月が赤いですね。霞ノ章

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「強くなるってどれくらい？
毎日つきまとわれたりとか困るんだけど」


『Aっていいます。
会ったら毎日声かけますから覚悟して下さいね。
そうですねぇ、強い、の基準かぁ…』




正直に言うとそこまで考えてなかった。
この一連の行動も思うままだったしな。

基本本能のままに生きてる人間。伊之助か私。




「じゃあ、僕と手合わせしようか」


『え、今ですか？』




今の私じゃ敵わないよ？
ケガしてるんだよ足。分かってます？
鬼よりも鬼とはこのことか。

これじゃあ柱稽古大変だろうなぁ……。




「今の君じゃ絶対負けるでしょ。
強くなったって思ったら来なよ。

僕が認めたら継子にしてあげるから」


『…嬉しいですけどその約束忘れないですか？』




こちとら現に１回忘れられてるからさ。
さすがに同じ失敗はしないからね。




「確かにね。忘れるかも」


『困りますね』




コテンと首を傾げて何か考えるむいくん。
綺麗な黒髪がむいくんの頬を撫でた。



「ねぇ、今時間ある？」


『はい、入院の身で暇なので…』


「じゃあ…、あ、やっぱいいや。
今日中に文を送るよ。会う時持って来て」


『ありがとうございます！』


「うん。…じゃあね」




最後、少しだけ笑ってくれた気がした。
十中八九気のせいなんだろうけどね。



まずは一刻も早くケガを治す。
遊郭編始動より早くに認めてもらいたい。

上弦と戦うには技術が必要不可欠だ。
高速移動が出来れば技の精度も上がる。


まぁそれより先にやるべきことは。




『無限列車編まで……、あとちょっと』





個人的に煉獄さんとワイワイしたい。
でも任務まで会わない方が都合いいかもだし。
我慢だ、私。

本能のままに生きることから卒業しろ…。




『炭治郎のとこにでも行くか』




こうして私の療養生活は過ぎていった。








「うん、完治ですね」


『ありがとうございました！』




ちなみに私は機能回復訓練は終了。
カナヲより階級は高いから当たり前だけど。




『頑張れ炭治郎！長男だからできる！』




任務の間をぬって、瓢箪の訓練に付き合ってる。もう間もなく割れるね。




「こらこらAさん。ここは貴女の家ですか？」


『第二の家って感じでしょうか〜』

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