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◇◆◇




「は?誰と間違えてるの君」


『………えっ』


「僕が君みたいな平隊士に構う訳ないんだけど」




昨夜のむいくんは、冷たいけど優しかった。
有一郎そっくりの不器用な温かさがあった。

だけど、今日のむいくんはそうじゃない。
昨日のむいくんはいないんだ。


そして、現実は甘くない。


こんな流れも考えてないわけじゃなかった。
だけど、私は転生者だから。
この世にいるはずのない異世界者だから。

ちょっと、いや凄く、期待してたんだ。
私のことだけは忘れないんじゃないかなんて。
そんな妄想に浸ってた。




『すみません、霞柱様』


「邪魔だからどいてくれる?時間ないんだけど」


『はい。貴重なお時間を無駄にしてすみませんでした』


「別に。以後気を付けてね」




私の右をむいくんがすり抜けていく。
背中の「滅」の文字が遠くなる。

1度も振り返ってはくれなかった。

上手く言えたかな、棒読みじゃなかった?
ショックで頭が固まっちゃったの。



別に前世でリアコしてたわけじゃない。
あくまで紙面の中の「推し」だったのに。




『よりによって…、ここは辛いな』




むいくんの記憶が戻るのはまだまだ先だ。
それに、記憶が戻ったらすぐ最終決戦も訪れる。

そうすれば、むいくんは帰らぬ人となる。




『今はただひたすら、やらなきゃ』




記憶が戻ったむいくんとお喋りしたいな。
紙飛行機だって作ってもらいたいし。
原作では明かされなかった話も聞きたい。


絶対折れたりしない。
何度だって、初めましてからスタートするんだ。









『霞柱様!』


「また君?まだ何かあるの?」


『お願いがあるんですが』


「簡潔に手短にね」




『霞柱様に覚えてもらえたら、私が強くなったら。
私を霞柱様の継子にして下さい!』





大好きな人の背中はすぐ分かる。
何とか追いついて、声をかけた。


覚えてもらうまで何度も挨拶をする。

認められるくらいに強くなる。


だから、それが出来たその時は。
貴方の近くに、居させて下さい。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 市販書き(二次創作)   
作品ジャンル:アニメ
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さつむいこん(プロフ) - 楪日織さん» もう26位まで落ちてるわ…、見たかったな。忙しいのにわざわざ報告ありがとう〜! (2021年7月1日 21時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 鬼滅タグランキング今1位だよすごい……!おめでとうさつむいこん!! (2021年7月1日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 私にとってはハイキュー!!さんが優しすぎて尊いです。ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 尊さの塊ですね! (2021年6月15日 19時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - さつむいこんさん» こちらこそ!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年5月28日 16時) (レス) id: d652f69505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年2月7日 8時

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