魔人の義兄、双黒の師匠。 (ページ6)

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霧。ページ6

笑みを浮かべている太宰とは対象的に、声の主・・・坂口安吾は硬い面持ちで口を開いた。

安「いいえ、仕事中ですから。」

『仕事？一体何の。』

安「これです。」

突然現れた小隊が、僕と太宰を取り囲んだ。消音装置(サプレッサー)つきの短機関銃の群れが正確に僕等の心臓を狙っている。んー・・・下手に動けないね。安全装置が外され、引き金に指がかかっている。僕等が怪しい動きをすれば、すぐさま発砲されるだろう。

『面倒くさいなァ(ﾎﾞｿｯ』

おっと本音が。

安「澁澤龍彦をこのヨコハマに呼び込んだのは、あなた方ですね？」

太「___・・・」

太宰はゆったりと坂口君の方を振り返り、冷たい眼差しで坂口君を射抜く。

僕も流れ○○って振り返ったりしてみる((

安「このヨコハマで、異能者の大量自殺を生む心算ですか？」

坂口君は気付かない。背後に“霧”が居ることに。

嗚呼、楽しい時が迎えられそうだ。

ついつい口角が上がる。きっと、太宰も嗤っているのだろう。

『・・・君達特務課は脳ナシかい？何にも分かっていやしない。』

坂口君が、警戒気味に僕を見る。

太「私達を捕らえられると思っているのかい__________？」

うわ、太宰の黒い笑顔だ。坂口君怖がってんじゃん。

・・・・坂口君は気付かない。気付いたとしても、もう遅い。

坂口君の背後から、不吉な白い霧がにじり寄っていた。

霧が坂口君、そして小隊を包み込み始める。

『【絵のない絵本】-白霊狐(はくれいこ)-』

バーの光が集まり、形を成していく。三頭の白い狐が、霧から隠すように僕を包んだ。