万事屋の美少女は銀さん溺愛中の彼女です。【坂田銀時】

決心 ページ41

銀時side





俺は何をしてるんだろうか。





思ってもいない言葉を並べてAを傷つけて。

幸せにすると約束したAを引き離すようなことをして。





全部愛染香のせいだってことぐらいわかっている。




それなのにアイツを………









「銀ちゃん！何してるアルか？！」

「早くAさんを追ってください！銀さん！」




後ろから大きな声が聞こえた。



神楽と新八が前へ回りこんでくる。

俺はふたりに無気力に返した。



　
　


「アイツんとこ？行けるわけねぇだろ」




「そんなことないネ！このままじゃバラバラになってしまうアルよ！」

「そうですよ！まだ間に合います！！」

　






「……バラバラ？もうなってんじゃねぇか。あんなこと言い合って今更戻れるはず……」








言い終わる前に、ﾊﾟﾁﾝと大きな音が鳴った。

頬に痛みを感じる。




前を向いて、神楽に平手打ちされたのだと気づく。








「……なにすんだよ。痛えじゃねぇか」


「痛いのはAアル！」








叫ぶ神楽は、小刻みに震えている。

哀しみでか怒りでか、神楽の目から涙がこぼれるのが見えた。




　





「銀ちゃんにあんなこと言われて、Aが1番痛くて哀しいアル！」

「神楽………………」

「やだヨ、銀ちゃん……またAと離れるのは…………」







新八が神楽の頭を撫でると、俺の方を向いた。






「銀さん。行ってください！」






新八の真っ直ぐな目に、思わず目を逸らす。
　






「今更行ったって、アイツを傷つけるだけじゃ……」





「そんなことありません！！………Aさんは、銀さんのことを待ってますよ！」

「だから……早く取り戻してくるアル…………！」









どうして仲間の言葉はこんなにも気持ちを変えてくれるのだろう。






俺は黙って頷いて、Aの方へ引き返した。

何度だって。→←誘惑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す