万事屋の美少女は銀さん溺愛中の彼女です。【坂田銀時】

すれ違い。 ページ38

「A！大丈夫アルか！？」






目を開けると、神楽の顔が。







「か、神楽………」


「A！よかったアル！」








神楽は私にｷﾞｭｰｯと抱きつく。


神楽の怪力に押しつぶされながら、今までのことを思い出して銀さんの方を向いた。








「ぎ、銀さん！私…………」








どうしてか分からないけど、総悟にキスしてしまった。


しかも銀さんの目の前で。





私が謝ろうと立ち上がると、銀さんは顔を背けた。









「ごめん、銀さん！あ、あの…………」


「別にいいよ、お前のせいじゃねぇし」


「で、でも…………」


「うっせぇな。いいっつってんだろ」









ぶっきらぼうな言い方。


謝るつもりが、ついムッとしてしまう。







　



「本当は怒ってるんでしょ！？はっきり言ってよ！」


「別に怒ってねーよ！お前こそ、本当は沖田とキスできて喜んでんじゃねぇの！？」


「なっ…………！」


　






銀さんのその言葉を聞いた途端、私の中でなにかが切れたような気がした。



私は銀さんを睨む。





私の口から、思ってもいない言葉がこぼれていく。









「最低。私はやりたくてやったわけじゃないのに」


「それが信じらんねぇっつってんだろ」


「そんなに私が信じられないなら、他の人を彼女にでもしたら！？」









そう言ってﾊｯとする。


訂正しようにももう遅くて。









「ハッ……てめぇこそどこにでも行けばいいじゃねえか」









そう言って銀さんは私に背を向ける。






銀さんの言葉が胸に刺さる。


呼び止めることもできず、私はただただ銀さんの背中を呆然と見つめることしかできなかった。

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