仲間になってないから裏切りじゃないけど、それは流石に非道いと思う【名前固定版】

7話 ページ9

その頃の教室。

「闇斎、本当にあいつやったのか?」
「環ちゃん………やったのかしら?」

ざわめく教室。
稲野先生から教室に待機命令をだされた生徒達は、闇斎、結愛、そしてまゆみの事を話していた。

闇斎はやったのか。
まゆみは何故闇斎を連れ出したのか。
結愛は大丈夫なのか。

すると。
保健室から帰ってきたのであろうまゆみがスパーンと扉を開けて教室に入ってきた。

怒りで顔が染まり、肩は激しく上下している。

「最低………。」
「え？」

まゆみは呟いた。
クラスは静まりかえり、まゆみに注目する。

「環は!謝らなかった!認めずに!すかした顔で反省もしていなかった!」

まゆみは叫んだ。
その声に、隣のクラスの人もわらわらと集まってくる。

その時。

クラスでコソコソと囁かれる。

あいつ、やっぱりやったんだ。

結愛ちゃん、可哀想。

反省もしていないんだって。

謝らせないと。

どうしたら謝るか?

結愛ちゃんに何かあったらどうする気だったの?

押したんだろ?









復讐、しないと。







誰かが呟いた一言は、クラスにそれ程大きな声じゃなかったのに響いた。

それに、周りは賛同する。

そうだ。
結愛ちゃんを傷つけたんだ。
殺そうとしたんだ。
あの結愛が自作自演な訳がない。と言うか転校生をかばう義理なんて無い。


クラスで、どす黒い何かが膨れ上がっていく。
一人一人から、黒い何かが立ち上って、大きな何かを作っていく。

＿＿＿＿モンスターのようだ。


結愛を傷つけるなんて、許さない。








クラスが、これまで無かったほどに団結した。


＿＿＿＿皮肉にも桜井結愛の手の中で。

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