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「Aが木兎さんと付き合うよりずっと前。
Aが木兎さんを好きになるずっと前から
俺は、好きだよ Aのこと」
もちろん恋愛感情で、と補足する。
彼女は一瞬、戸惑った顔をした。
今から言うことは全て嘘だと伝えたけれど
彼女は一体どう捉えているのだろうか。
「理由とか、わかんないけどさ
ただ俺はAの笑顔ひとつで疲れなんて吹っ飛ぶよ。
ずっと俺のものになればいいのに、なんて考えてた」
彼女は目をぱちくりさせたまま
俺の話に聞き入った彼女は
嘘だとわかっていてもなぜそんな具体的なつくり話を、
なんてところだろう。
「でも、Aに幸せになってほしいから
その相手が俺じゃないなら
俺は見守るだけでいい。応援したい」
好きで好きでこんなにも想っているのに
応援するだけ、なんてそんなことできるか?
俺は できるできないよりも、したいと思った。
だって彼女があんなにも幸せそうな顔をするから。
「Aを好きになれたことが幸せだから、ありがとう」
俺が、そこまで言い終えると
彼女は動揺しているのかうっすらと瞳を動かしていた。
しばらくしてから、
ゆっくりと、ほんの少しだけ口を開く。
「……どうして、そんな嘘、つくの?」
ごめんね。
一年間、考えに考えた結果でさ。
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狂魔(プロフ) - 最高でした!感動をありがとうございます! (2018年2月9日 23時) (レス) id: 644d6fc42d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あや(プロフ) - 読ませて貰いました(´;ω;`)こんなに感動するなんて…短いのに感動です!! (2018年2月7日 17時) (レス) id: fab371d7ac (このIDを非表示/違反報告)
雨宮さん(プロフ) - 感動をありがとうございました.....!!泣 (2017年4月30日 23時) (レス) id: 5399fc84a9 (このIDを非表示/違反報告)
り。(プロフ) - 最後の言葉にずしん。となにか心に来るものを感じました。とてもすてきです!!ありがとうございます!! (2017年4月15日 18時) (レス) id: 36bb0a795e (このIDを非表示/違反報告)
かっすー(プロフ) - 切なくていい話でした・・・赤葦くん好きだぁぁぁぁ (2017年4月7日 13時) (レス) id: 28120578a2 (このIDを非表示/違反報告)
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