俺のだっつーの【白布賢二郎】 (ページ5)

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次の日、教室で友達と話していると

近くにいた男子に声をかけられた。

「なあなあ、Aってさかわいくなったよな」

「はっ？え、い、いきなり？」

『モテてるよ』なんて言われた次の日だからか

妙に意識してしまって少し頬に熱を帯びる。

「A、顔赤い何照れてんの！」

げらげらと笑う、隣で聞いていた友達。

真正面からかわいいと言われ、照れない女子がいるだろうか。

「じ、冗談？」

「いや、マジマジ。白布にはもったいねえわあ」

笑い出す彼らに戸惑う私。

いや、笑うところじゃない。

賢二郎にはもったいないとはなんだ。

「な、なにそれ！意味わかんな、」

意味わかんない、と言い返そうとすると

後ろからぐいっと大きな手で口を塞がれた。

瞬間、ふわっと香る大好きな匂いで誰だがわかってしまう私は重症なのだろうか。

「もったいないか知らねえけど」

「げ、白布、」

「Aは俺のだっつーの」

彼の言葉に驚きで目を見開くけれど

口は抑えられたままで喋れない。

「いや、その」

「…ちっ」

不機嫌なのか、軽く舌打ちした彼は

私の口を抑えていた手を離し、

顔を向かい合わせる。

「ちょ、けんじろ……、」

声を発せたのも束の間、

驚く私を他所に、彼の顔が近づいてきて

「…！？」

教室で、みんなからの視線を浴びる中

気にする素振りも見せずにキスしてくる彼。

それは、まさに“見せつけ”

fin.