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「Aちゃん、白布くん呼んでるよー」
放課後、友達に声をかけられ教室の扉を見ると
壁にもたれながらスマホを弄る彼の姿が。
呼んでおいてこっちすら見ないのか、と
気づいていない彼の腹部に頭突きをかます。
「どーん!」
「、痛って、おい」
「もー、なにさ呼んどいてスマホって!」
「悪い、先輩から連絡きてた」
「えっそうなの、ごめん」
先輩からなら仕方ない、と
素直に謝ると頭をグシャグシャに撫でられた。
「そーゆーとこあるよね君は」
「は?なにが?」
「無自覚かよこのやろ!」
“こういう”性格なくせに
不意打ちで頭撫でてくるとかさ、ずるいよね。
「… で、どしたの!」
照れたらまたバカにされるから、
バレないように、本題に戻る。
「…… 」
彼は何も言わずに私の手を掴んだ。
状況理解ができていない私にお構いなしでそのまま手を引いて歩き出す彼。
「… へ?」
「今日オフなんだよ、どっか寄るぞ」
「えっちょ、」
私の予定無視ですか、
いや、何も予定ないけど!
なんて突っ込みたいところだけど
それどころではない。
「ちょ、けんじろ…… 」
あの賢二郎が、
校舎内で周りからジロジロと見られるなか
手を繋いで歩いてくれているのだ。
しかも、強引だけれど
これは、デート、なのでは。
「うわお前ら見せつけてくんなリア充め!」
「あーもう、うるせ…」
冷やかしてきた外野にブツブツ文句を言いながらも
その手を離さない彼に
戸惑いと喜びが交じりあって
「…… ふふ、」
「なににやけてんだよ」
「えへへ、なんにも!」
引かれたままの手を強く握り返した。
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アリア(プロフ) - うわぁぁあああ!!!あーちゃんこんな素敵な白布賢二郎をありがとう!! (2018年4月21日 18時) (レス) id: 1d557e29fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:http: 作成日時:2018年4月21日 15時