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昼休み、職員室へと向かう。今度の部活の合宿のことについて顧問に尋ねに行こうとしていた。
職員室は、彼女のいる校舎を経由する。
ばったり会えたりしないだろうか、と僅かな期待を寄せるだけの自分がどうも不甲斐なく感じた。

結局彼女とは会えず、先生の元へ。
合宿の概要が書かれたプリントをもらい、軽く説明を受けた。我らが主将である木兎さんはきっと合宿と聞いて遠足前の小学生のようなことしか考えていないだろうから俺が来て正解だと思う。

そんなこと考えていると予鈴が鳴ったので、早く帰ろうと足早に職員室を出る。
慌てたせいか、前をきちんと見ていなかったせいか、先の曲がり角で誰かとぶつかってしまった。咄嗟に頭を下げるが、相手が抱えていたノートを少しばらまいてしまった。

「!すみません、大丈夫ですか」
「おっ、悪い。上の方しか落ちてないから大丈夫だよ、もうすぐチャイム鳴るからほら、行きな!」

顔を上げるとぶつかったのは若い男の先生で。
大丈夫とは言われたものの、慌てて落ちたノートを拾っているとよく知る名前が書かれたノートを見つけた。

「内海A……」

どうやらぶつかったのは彼女の担任らしい。
関わりがないせいか、初めて見た顔だった。

「……内海の知り合い?」
「あ、えっと、幼馴染です」
「ああ!幼馴染!例の!」
「例の?」
「あ、いや!ケイジくんのことなー、よく話してんだよ!」

名前まで覚えられていることを知り、上がりそうになった口角を抑えるようにぎゅっと唇を噛み締めた。
彼女が俺のことを話しているのか、そう思っただけで頬が緩みそうになる。それと同時にクラスでの彼女を見てみたいと思った。

先生の口ぶりからして、彼女は担任とも仲がいいのだろう。

「そう、なんですね」
「おー、あ、マジでチャイム鳴るぞ、早く教室戻れよ!」

そう言って背中を押される。
すみませんでした、ともう一度謝ってから急いでその場を離れ教室へ向かう。
あの人は新任の先生なのだろうか、見た目もだが、話し方がとても若い口調であった。きっと生徒とも親しく接しているのだろうな、と直感でそう思った。

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あぁ(プロフ) - みないさん» ありがとうございます( ; _ ; )恐縮すぎて言葉が出ません(>_<)赤葦くんらしさを出しながら最後まで話を組み立てられたらな、と思っています。最後までお付き合いいただけると光栄です (2018年7月28日 21時) (レス) id: 3b7b992785 (このIDを非表示/違反報告)
みない(プロフ) - 久しぶりに占ツクを開いたら大好きなあぁさんの作品が出てて凄く嬉しいです。あぁさんの赤葦凄く好きです。続きとても楽しみにしています。更新頑張ってください!! (2018年7月28日 18時) (レス) id: 4024dcb8cc (このIDを非表示/違反報告)
あぁ(プロフ) - しおさん» ありがとうございます(>_<)作品に合った雰囲気で書ければな、と思っていますのでそう言っていただけて嬉しいです、どうか最後までよろしくお願い致します (2018年7月18日 23時) (レス) id: 3b7b992785 (このIDを非表示/違反報告)
しお - コメント失礼します。あぁさんのお話、どれも雰囲気溢れていてとても好きです。更新応援してます。そしてご自愛くださいね (2018年7月18日 21時) (レス) id: 12b75cb48a (このIDを非表示/違反報告)
あぁ(プロフ) - チャリアカーさん» ありがとうございます( ; _ ; )不定期更新となりますが最後までお付き合い頂けると嬉しいです、 (2018年7月17日 14時) (レス) id: 3b7b992785 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぁ | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年7月12日 16時

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