横恋慕【五条悟】

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「今日から生産期だから、いっぱい歩いていいよ」
「…あの、こんなにお腹目立たないのに、もう生まれても大丈夫なんですか？」


もうすっかり慣れた妊婦健診、そう言って不安そうに自分のお腹を見たAは、「五条さん、今日エコーで見てもらった通り、赤ちゃん大きくなってるから心配ないよ」との医者の言葉に、「でも、胎動もそんなに感じないんです」と食い下がる。


「胎動も、その子の個性だからねぇ。全く感じないわけじゃないでしょ？」
「はい。でも、あの…」
「不安なのは分かるけど、大丈夫ですからね。お腹の痛みが10分間隔になったり、破水したりしたら連絡くださいね」


看護師に諭されるように言われながら肩をさすられたAは、不安げにうなづいて「ありがとうございました」と部屋を出る。


「…本当に、もう生まれてもいいの…？」


少し太ったくらいにしか見えないお腹を見つめながらそう言ったAは、問題なかったよと悟に連絡して、居ても立っても居られず母に電話をかける。


『あら、A？どうしたの？』
「お母さん…。私、元気な赤ちゃん産めるかな？胎動も全然ないし、お腹も小さいのに…」


とめどない不安を吐露するAに、『お医者さんは大丈夫って言ってるんでしょ？それなら心配することないよ』と母が柔らかな声で答えたとき、Aの下半身を温かな液体が伝っていく。


「…え、やだ、尿漏れ？」


恥ずかしいとしゃがみ込んだAに違うよとでも言うように、さらに勢いを増したそれはあっという間に足元に水溜りを作る。


「やだお母さん、止まらない…！」
『Aそれ、破水じゃないの？今どこ？すぐに病院に…』
「ちょうど病院の中…！」


そこから慌ただしくお産の準備が進められ、慌てて飛んできた母に見守られて無事出産を終えたAは、「悟さんに連絡しなくていいの？」との母からの催促に、ちょうど悟も任務が終わったころだと時間を確認してスマホを手に取った。






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いつも読んでくださる皆様、更新を待っていてくださった皆様、本当にありがとうございます！

あと1〜2話で完結させますので、そして明日も更新しますので、あと少しだけお付き合いいただければ幸いですm(_ _)m

そして今作が完結したら、もう一つのアカウントで書いていた未完の宿儺の作品をこちらに投稿しようと思いますので、今後ともよろしくお願いします！！

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