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依存だ——
「っはぁ…!」
目が、覚める。
それと同時に勢いよく起きた反動で頭痛がし、額を抑えた。
息が一瞬詰まった感覚が中々抜けない。
冷や汗なのかなんなのか、嫌な汗が止まらなかった。
昨日のは夢か、現実か。
理解に苦しむ。
俺はあれが夢だろうと現実だろうとAの首を絞めていたのは確かだ。
頭に血が昇っていたからか、自分が彼女の首を絞めていることすら自覚していなかったなんて。
俺はいつからこんなにも醜くなったんだろうか。
いや、本当は隠れていただけかもしれない。
ずっと自分の奥底にあった黒いものがそこにはあってそれが"今"浮き彫りになっているだけなのかもしれない。
『角名…?』
頭上から掛かった言葉に肩を跳ねた。
恐る恐る声が聞こえた方へ顔を上げると、そこには、心配そうに俺を見つめるAがいた。
『大丈夫だよ』
ね、と微笑む彼女に俺はどう反応していいのか分からなかった。
でも重ねられた手だけは離せなかった。
唯一出来る精一杯の懺悔に、Aは俺の頰に触れる。
『人なんて闇を抱えていて当たり前だもの』
え、と言葉が溢れそうになるのすら彼女は許してくれず俺をその言葉とは真逆に俺の体を抱き締める。
ただ、優しく、堕ちていく様に。
耳元で、続きは紡がれた。
『その角名の抱えてる闇に私がなれてるなんて、
素敵なことだわ』
ーー堕ちる。
『私は角名が居なきゃ駄目なの』
ーー落ちる。
『角名だって私が居なきゃ駄目でしょう?』
ーー陥ちる。
『だから、』
『ずっと一緒よ、角名』
そう言うと彼女は俺の首に触れた。
あーあ、
ーーおちちゃった。
「っはあ…!」
目は、覚める。
息も絶え絶えになって目を覚ます。
視界には見知った景色と、彼女が映った。
大丈夫?と、心配そうに俺に手を伸ばすAの手を俺は思わず弾いてしまう。
「っあ…」
『……どう、したの…?』
分からないとでもいう様な顔に、俺は更に混乱する。
でも実際彼女はなにも知らないのだろう。
先程のは悪夢か、現実か。
ただ先程の彼女の言っていた言葉には何一つとして嘘はない。
事実はそれだけで充分ではないだろうか。
「…なんでも、ない」
彼女に対しての抱いていたものが、"それ"ではないと腑に落ちた瞬間、その波紋は一瞬にして俺を覆い尽くした。
もし俺がこのことを話したとしても、彼女は変わらず俺を受け入れるだろう。
それがどんなに歪で、奇異で、
逸脱していようとも。
けれど、
俺"たち"は、
「別れよ」
それから逃れたかった。
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グリム(プロフ) - ヤバイ、凄く引き込まれる!次の投稿待ってます! (1月30日 17時) (レス) @page13 id: 66f712e8a8 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 切ない……切なすぎる…。更新ずっと待ってます‼ (10月15日 20時) (レス) @page13 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - んごおああああああああ(叫び声)めためた切ない(´;ω;`)次の投稿永遠に待ってます! (6月18日 19時) (レス) @page13 id: 587110230b (このIDを非表示/違反報告)
めぃ(プロフ) - ほんとに最高です!主人公ちゃんへの感情移入凄すぎてしんどいです…(泣) (2022年7月24日 5時) (レス) id: 1ba6cd66fa (このIDを非表示/違反報告)
みるきーばなな(プロフ) - うはぁぁぁ、切ねぇぇぇ、、、ッッ!読みながら涙腺崩壊しそうになったぞおい、、(涙) (2022年7月15日 8時) (レス) @page13 id: bfe5e9257b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスター | 作成日時:2021年7月5日 12時