嫁いだ先は2【波羅夷空却】

嫁ぎ先51 ページ16

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『話って、なんですか』






空却さんの隣に座る

少し離れてしまうのは、ここ最近の喧嘩で生まれた溝のせい






｢...拙僧は、この喧嘩少し楽しんでた｣



『へ？』



｢今まで、お前と喧嘩した事なんて無かったしな。距離が近づいた証拠みてぇで嬉しかった｣




『...』









確かに、今まで距離感があったかもしれない

両思いと分かってからもずっと



私の中で、空却さんは夫である前に恩人だったから









｢本当はもっと早くに謝れば良かったんだけどな。わりぃ｣



『...私こそごめんなさい。あんなに怒鳴るつもりなかったのに』



｢お前の知らない1面見れたし、拙僧としてはなんの問題もねぇよ｣







ニィっと笑う空却さん

月明かりに照らされたその笑顔はとても綺麗で


改めて自分がこの人に惚れていることを実感させられた








『これで仲直りですね。もう遅いし、寝室戻りましょ』



｢いや、まだ仲直りじゃねぇぞ｣



『え？お互い謝ったから仲直りじゃないですか』



｢ん｣







空却さんはそう言いながら目を閉じて顔を近づけてきた


これはもしかしなくても...









『...私からしろ、と...』



｢いつも拙僧からだろ。これで平等だ｣







うぅ、確かに...

私からは何気に1回もしたことないんだよな...




空却さんに近づき、頬に手を添えた







辺りに軽いリップ音が響く









『...これで、いいですか？』



｢おうよ。さんきゅな｣





空却さんは私の頭を軽く撫でて、スタスタと寝室に戻ってしまった



ずるい人だなぁ...ほんと...

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