嫁いだ先は【波羅夷空却】

嫁ぎ先25 ページ26

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｢...今から拙僧が言うこと、よく聞けよ｣





『は、はい...』








｢.....拙僧は今まで女なんざ興味なかったし、恋愛なんてしてこなかった｣






｢でもお前と出会って..その...なんだ、初めて女と話して楽しいだなんて思ったし、大切にしてぇと思った｣






そんな風に思っててくれたんだ...


.......大切にしたいだなんて、初めて言われた









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｢.......拙僧はお前が好きだ。...ま、色々順序逆だけどよ｣







『え...』




その言葉を聞いた瞬間に、頬に暖かいものが流れてきた


あ、今私泣いてるんだ...




嬉しいんだ.....








『.....私も、空却さんのこと好きだったのかもしれないです』




｢かもってなんだよ...つか、ほら拭けよ｣






空却さんはティッシュを持ってきて、私の涙を拭いてくれた



その手はとても優しくて暖かかった





この人に惚れてるんだなぁ、私








『私、空却さんのお嫁さんになれて幸せです』




｢...そうかよ｣





ふっと笑う空却さんの目は優しくて

言葉は素っ気ないけど、そこもまた、空却さんらしくて







｢ほら、ちゃんと拭いてやるから目閉じろ｣



『ふふ、分かりました』









『んっっ...』





なんか、唇に柔らかいものが...








『ん！！空却さん！？今何して...！』



｢これでちゃんと拙僧らは夫婦だ。これからはもっと仲良くしような｣





『...！』






確かに、結婚式もろくにしてないし、ましてやキスなんて匂わせたこともなかったけど...






『空却さんて意外とロマンチストですね』




｢拙僧は口説くことにかけたらナゴヤ1だかんな〜｣





『初めて聞きましたよそんなの...。朝ごはんにしましょ』





｢へぇへぇ。分かってるっつの｣








順番は色々逆になっちゃったけど




今日から本当に、夫婦生活始めようと思います

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