女好き 二 ［昌平君］ ページ3
同部屋だった宮女が呂不韋に引き抜かれ、一人部屋になりしんとしてしまった部屋にお香を炊く。
いつも騒がしかったがよく笑い、何か嫌な事があって機嫌を損ねたまま眠りにつこうとした日には許可なく布団に潜り込んで気が済むまで話を聞いてくれる。
そんな友人が突如としていなくなり、なんとも言えない喪失感に苛まれる。
もう香を炊いてもいい香りだと喜んで無邪気に笑う彼女には会えないかもしれない。
心にぽっかりと穴が空いた感覚だ。向かいの寝台に彼女の面影を感じ、じわりと目頭が熱くなる。
とんとん、と扉を叩く音がこの静まり返った部屋に響く。
程なくして｢失礼する｣という声と共に扉が開かれ、その影からこの国の軍総司令殿が現れる。
この部屋の主の涙で濡れた顔を見たとて動揺はせず、そっとその涙を指で拭う。
優しげな声で｢何があった？｣と聞かれ、事の顛末を手短に話す。
軍総司令は何故かこの女を気に入り、彼女を口説き落とそうと足繁く後宮に足を運んでいた。
まあこの類には疎いようで、とにかく女を大事にしたがって進展という進展は何一つなかった。
ただ想い合うだけの清い関係で数年、他の宮女たちに冷やかされることも無くなった。
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つよび(プロフ) - 雪さん» お読みいただきありがとうございます！ ほぼ私の書いた作品置き場になってしまっていますが、喜んでいただけ私も嬉しいです。 バラつきはあると思いますがこれからも楽しんでいただけるような作品を更新して行きたいと思います！ (2021年5月26日 11時) (
レス) id: 346ab86ca1 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - こういう短編集のような夢小説、大好きです！どの話も読んでいてドキドキしました！素敵な作品ありがとうございます！更新を楽しみに待ってます！ (2021年5月25日 21時) (レス) id: 7bcc93bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つよび | 作成日時：2021年5月13日 5時
