頑張りすぎる君だから…【天童覚】

11話 ページ12

部活が終わり、太陽がゆっくりと沈みかけていた




私は体育館の戸締まりと掃除にもくもくと取り組んでいた







そのとき・・・







「Aちゃん♪なんか手伝おーか？？」








天童犬もとい天童くんが後ろから私の両肩に手をおきながら明るい声色で尋ねた









正直この時間まで残って掃除しているのには納得いかない





体育館を使っているのは部員全員だ



スパイクの跡が増えていくたびに選手の技術はめきめき上がっている



そんなことは私が一番近くで感じている



そして、少しの達成感と満足感に浸ることができるのも事実だ




それと同時に私は今日も日が昇ってまだ明るいうちには帰れないのだろう



そう悟り、静かに部員への怒りをこの居残り体育館掃除に向けていた









ゆえに、天童くんのこの一言はとてもありがったかった



だが私の口はありがとう、という言葉より先に









『え、イヤだ』









なんとも間が抜けた自分の声が体育館にこだました








だって！！！！

あの天童くんがだよ！？！？

私のこと大嫌いマンな天童くんがだよ！？！？

それ考えたらさ、









いやじゃん？？





そのとき、天童くんの口角がくいっと上がった気がした

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