手を差し伸べた彼３ (ページ26)

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陸side 2022/7

事故から数日後に戻り…

俺と今市さんは事務所の会議室に
呼び出された

理由はこれしかないと思う

『社内恋愛』

ルールを破ったのは俺たち

事故のとき名前を叫んでたから
事務所中に知れ渡った

隆二「陸、お嬢のこと本気なら
　ここで負けんなよ？
　俺はなんと言われても美咲とは別れねぇ」

陸「はい。負けません」

会議室に入ると事務所のお偉いさんたちが
揃ってて目線を感じる

「今市くん、社員の後藤美咲さんと
　交際してるのは事実？」

隆二「事実です」

「青山くん、仮契約中で今はうちの仕事の
　手伝いをしてくれている
　五十嵐Aさんと交際してるのは事実？」

陸「事実です」

「君たちうちの事務所入って長いよね？
　社内恋愛禁止のルール知ってるよね？」

「「はい」」

「ルール違反を犯してるのは
　承知の上で交際してるんだね。

　今回の事故ことは事務所の責任で
　彼女さんたちにはとても
　申し訳ないと思ってる。

　でも、話は別。ルールはルール。
　言いたいことわかるよね？」

「「…」」

「別れなさい」

ついにこの言葉が出た
でも、俺たちが返事をすることはない

そんな態度に痺れを切らしたのか
他の人も話しかけてきて

「スキャンダルがどれだけファンの信用を
　失うかわかってる？」

「頻繁に病院に行く姿撮られたらまずいよね？」

「遊びなら今すぐ別れなさい」

「女性問題起こしたら
　イメージダウン間違いないよ？」

「グループにも迷惑がかかるし
　今後の活動に支障が出るよね？」

こんな言葉が続いた
俺たちのことなんだと思ってるんだろ

社長「今日は時間なので
　ここまでにしましょう」

とりあえず今日の話し合いは終わり
これが次の日もあって、今日もある

力也「今日も？」

陸「はい」

陣「大丈夫か？疲れてんで」

陸「大丈夫」

北人「お嬢を別の事務所行かせるって言ったら
　交際認めてくれるんじゃないですか？」

壱馬「手放し難い逸材やからな」

陸「最後の切り札にとっておくよ」

まあ、俺もそれは思ってた
だけど本人がLDH好きだからさ
実際そうなったとき悲しむと思う

今日も会議室行きますか…

「もしバレたときにバッシング受けるのは
　彼女たちだよ」

「今は意地張ってるだけ。冷静に考えて」

「五十嵐さんこれからなのに
　撮られたらデビューは難しいかもね」