その男、非・人間

3 ページ3

なぜ知っているかわからない


この香り


それを嗅いだ瞬間


何かが、頭に浮かぶけど


それがどういうものなのか、


どうして知っているかも、


思い出せない


ただ、暖かいような


寒気のするような


そんなあやふやな


感覚がする


私、どうしたのかなー


さっきの人も私は知らない


だけど、この感じは


間違いとか、そういうのでは


なさそう......


頭の中で疑問が飛び交う


ってヤバい


時間が！学校が！


間に合わん


学校は十数メートル先


その間には信号


そして、学校に入っていなきゃならないのは


35秒後


遅刻フラグが立っていますが


つっきろうと思います


35、34、33、32...


横断歩道前


19、18、17、16...


時間は進んでいくのに


信号は赤いまま


青になれー、青、青、青、青


よっしゃあ、なった


けど、後三秒


3、2、1


全速力を出したが


無情にも、門はがらがらと


私の前で閉まる


まじかよ...


あーあ、掃除当番決定だ〜。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す