Title 13 ページ13
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私自身、彼とまたやり直したい そう思ってるけど
現実はそう上手くはいかないだろう
第一、自分が苦しい時に
支えようとも 力になろうともせず
逃げ出したような女だ
そう易々と信じて、やり直してくれるとは
到底思えないな。
「 …気が向いたらするよ 」
出来るだけ後輩には笑顔で振舞った
悲しそうに8の字を描いた眉がなかなか直らない辺り
多分、見破られているだろうけど
大きな口を開いてチキン南蛮を口に放り込んだ
美味しいけど今日だけは食べ物に味がしなかった。
何度も会いたいと願ったのは私の癖に
顔を合わせるとわかっていたからライブに来た癖に
全部、他人の所為にして
馬鹿だなあ、自分は
「 ほら、飲みなよ。今日は私の奢りだよ? 」
「 へへへ、先輩が奢るなんて珍しいですね。
雪でも降るんじゃないですか?? 」
「 言うねえ。資料作りもう手伝ってやんない 」
じゃあ何だ??
白膠木簓と再会を果たしたのは 必然 とでも言いたいのか
この子がどついたれ本舗を好きになったのも
ライブ一緒に行く人も居なくて私を誘ってきたのも
あの場で、あのタイミングで
彼らが出ている所を、佐藤が出待ちしたのも
はは、タイミングよ
運が悪いのか良いのか分からんね
「 どうした?携帯と睨めっこして 」
「 ………明日、ミーティング入りました 」
「 ウソ。何時? 」
「 15時です 」
「 部長は? 」
「 居ます 」
「 ……お疲れ。佐藤 」
楽しい楽しい飲み会の筈なのに
ミーティング通知が入り地獄に突き落とされる佐藤
ビール片手にわんわん泣く彼女の背中をそっと摩った
可哀想に。ちゃんと埋葬してやるからな、佐藤
「 埋葬は嫌です。ちゃんと焼いてください 」
「 アメリカ方式は嫌? 」
「 日本人なので日本方式でお願いします!!! 」
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青藍(プロフ) - 最高すぎます…..更新頑張ってください! (2023年1月15日 2時) (レス) @page8 id: fd6ac99b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミオ 。 | 作成日時:2023年1月13日 3時