未練タラタラやん、俺もやけど。【白膠木簓】 (ページ11)

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Title 11 ページ11

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簓……ささら……??

「ふふっ、確かに似てますね」

「やろ!?似とるでな!!
Aちゃんかあ……キミは、大阪出身?? 」

「はい。出身は大阪で育ちは静岡で…… 」

「成程。やから訛ってないんやな」

彼とお話するのはとても楽しかった

私が知らない大阪の穴場を教えてくれて

「ココ美味いやろ??」って笑うの

一緒にご飯に行けば行くほど彼に心奪われて

私の目にはもう彼しか映ってなかった。

笑顔がこんなに素敵で、似合う人に初めて出会った

彼の笑っている顔を見れるってだけで仕事を頑張れたの

「簓くんって、芸人さんだったの!? 」

「いつかは言おう思ててんけど……
言うの遅なってごめん!! 」

「謝らないでよ。ビックリしただけだから」

出会って半年経って

彼の大きなカミングアウトと同時に、

「俺、Aちゃんのこともっと知りたい。

気付いたら好きんなってた

俺は芸人で、売れるかも分からへん
それでも一緒に、横に……おって欲しいねん」

「やから付き合って欲しい!!! 」

彼らしい告白だった。

初めて見た時から心奪われていた私の答えなんて

聞かなくてもわかる。

「不束者ですが、よろしくお願いします」

そう言ってペコりとした時の

彼の顔と言ったら忘れられないくらい間抜けな顔してた。

芸人でコンビを組んでるって言う

盧笙くんともお会いして、

自分が務めてる会社でも昇格したりして

一緒に住みたいって言われて、同棲して

その時は幸せ絶頂だった

「は??何言うてん…?? 」

「やから、俺はもう漫才やらん。
お前1人でもウケるやろ」

簓の家でネタ合わせしてた簓と盧笙くん

私はキッチンでご飯作ってたから詳しい話はちゃんと聞いてない。

でも物凄い音がして、慌てて火を止め

2人が居る部屋に行けば

取っ組み合いの喧嘩になってた。

女の私では勿論力不足で止めに入ったけど邪魔なだけだったようで

盧笙くんの手が、顔にぶち当たり

思わず身を引いた。

「ッあ、Aさんッ…!!!
悪い、大丈夫か?? 」

「私こそ、ごめん、」

「ッ、おい盧笙…何手ェ出してくれとんねん」

"たまたま"当たってしまった手に簓はカンカンに怒ってしまって

さらに喧嘩はヒートアップ

今思えば、私が止めに入らなきゃ

こんな事にはならなかったのかも

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