一縷

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黄昏時の図書室













『 hey .abe 。』

阿「 もう 、誰がAIだよ 笑 」








派手な見た目の私と優等生の阿部ちゃん

よく言われる

「 なんで天音さんと阿部くんなの…？ 」

もう慣れた 。慣れたけど

どちらにせよ

「 この人はこんな人間だ 」
そう決めつける感じ

何も知らないくせにと腹が立つ















阿「 大丈夫？ 」

『 大丈夫に見える？ 』

阿「 今回はなんですか？笑 」

『 皆の判断基準が好きじゃない 不快 』

阿「 ははっ 、いつも通りか 笑 」












私とは違う染められていない黒い髪
少しだけ伸びたサイドを耳にかけて
愉快そうに笑う 。

こっちは本気で不快なんですけど

少しの皮肉も込めて



　



『 阿部ちゃんと私は正反対なんです 』








そう言って笑っても軽く「 そうだね 」なんて流された 。

暫く楽しそうに笑った後
オーバーサイズのカーディガンの袖を伸ばして
私の向かいで頬杖をつきながら携帯を見始める

かくいう私は
規定通りの阿部ちゃんとは違って着崩した制服で
好きな作家さんの小説のページを捲る 。







正反対なのに正反対と言いきれないこの感じは
なんと表現すればいいのか

私には分からない









　









阿「 Aの方がやってることは真面目だよね 」

『 阿部ちゃんは見つかったら携帯没収だよ 』

阿「 音消してるから 笑 」

『 そういうところは気にしないよね 』



















私の方からまた最近ハマっているらしい
クイズアプリに視線を落とした


噂で知る内容はコントラストを100で分けたような
明確な違いがあって


共通点の 本

共通点の 性格

共通点の 周囲の好奇の目


この3つすら知ったのは
2年に入ってから



お互いに存在は充分知っていたのに


「 完璧で秀才 、清廉な優等生 」

「 派手で怖い 、一匹狼な問題児 」

交わらない糸を彼が繋いだ

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