この“世”の醜さ、美しさ【呪術廻戦】

Why？ ページ27

『甚爾さん！！』



そう叫んで甚爾さんに近づく


甚爾さんは腕とその周辺を抉られていた




甚爾さんの

その瞳にはもう既に何も映さなくなっていた



『嘘だ、』



ぎゅっと甚爾さんの失われていない方の手を握る


まだ、ほのかに温かい


『なんで、なんでよ、なんで俺を置いていくのさ、どう…し…て、』



ボロボロと涙が落ちる


強く、強く甚爾さんの手を握る



『おきて、？ね、甚爾さん、おきてよ』


必死に声をかける




だが、甚爾さんはピクリとも動きやしない


『なんで、よ、なんで俺からみんな奪っていくんだ！！呪力だって、甚爾さんだって……！！』


俺は天を仰いだ



『みんな、みんな奪っていく、俺から“幸せ”を！どうして？？俺は“幸せ”を感じではいけないの？？』


大粒の涙を落としながら


『俺は不幸じゃなきゃいけなかったの？？ねぇ、だれか、………教えてよ……ねえ、』




ぎゅっと甚爾さんの体を抱きしめる


血がべっとりと付くが、気にしない



『甚爾さん……死なないでよ、おれを、ひとりにしないでよ、



悲しいよ、



寂しいよ、





つらいよ、』





ねぇなんで？俺は…………こんな……………………………

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