第六話 ページ7
Q.先生。ずっと言語の壁と三人がかりで格闘していますが、まるで壊せません。どうしたら良いですか。
A.どうしようもありません。
脳内で叩き出した答えに勝手に絶望して、思わず目元を掌で擦る。沢山の文字を見て、ずっと緊張にさらされて、疲れからか若干視界がおかしくなっていた。
『コイツ、ほんまに揶揄ってんのとちゃうやろな…？』
『違うと思いますよ…でもおかしいですね、これだけ通じないならもう未知の言語であるとしか…』
『エイリアンか？』
『あり得なくはない、かも？』
『んな阿呆なぁ…』
何を言ってるのか、相変わらずさっぱりわからない。
何十、何百という文字の羅列だって、1文字も読めない。
…何もわからない、〈不安〉というストレスで、いい加減僕の精神には限界が来始めていた。
「あ」
『え？』
『…は？』
ず る り。
顔の皮がずれて、肉が歪み、視界が増える。
ばくりと唇が割れ、口が洞のようになり、本来の形へと近づいていっていた。
あぁいけない、
『な、は、はぁ？』
『え？え？？』
「ごめんなさい、ちょっと疲れちゃったみたいで…」
そう喋りながら顔を抑えたが、辛うじて維持できる程度。ニンゲンの姿でいるのがキツくなってきた。仕方なくそのまま歯が痛いみたいな姿勢でいたけれど、疲れを自覚した途端一気に身体が重くなって…結局、姿勢を崩して、背凭れに身を預けた。
…そういえば、今日はまだおやつも夕飯も食べてなかったな。いつもならとっくに食卓について、テレビを見ながら母さんのご飯を食べて、宿題をやって…
……あぁ、帰りたい、なあ。
不意に込み上げてきたものを抑えきれなくて、ぽろりと
突然知らないところへ来てしまって、言葉は通じないし、言ってることもわからないし、疲れたし、何より怖いし。
僕はいつ帰れるんだろう？
叱るならさっさと叱って、出来るならば解放してほしい。
もう外はあれだけ明るかったのがもう暗くなっていて、両親はきっと今頃死ぬほど心配してる。
2人のことは…何とか身振り手振りで、とんとん、えーみーる、と名前は判ったけど。数時間やってコレだ。先が見えない。
ずぅん、と心の底に思い鉄塊を投げ入れられたような気持ちだった。
＊＊＊
やっと夢主くんの人外表現ができました。
まだまだサビへの道のりは長い…
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
