第二十四話 ページ25
『コウ様、入りますよ』
コンコンコン。軽やかなノックの音に知らない声、白い日差し。
僕はそれで目が覚めて、ベッドから体を起こし眠い目を擦った。
『おはようございます。…あら、お召し物がそのままですよ。此方に着替えてくださいな。』
「んん…」
眠い。乾燥しているのか眩しいのか、目が開けづらい。
ぼんやりとしていると、昨日とは違うメイドさんが、テキパキと何かやっているのが見えた。
『ほらほらシャキッとして！』
「んぁ、あ、はいっ！」
ぴしゃりと掛けられた声にやっと覚醒して、よくわからないまま返事を返し慌ててベッドから降りる。
皺が寄っているセーターを見て、あのまま寝落ちしてしまったのだとやっと気が付いた。
『ほらほら着替えて着替えて、総統様がお待ちですよ』
「えっわっわっわ、なになになになんですかなんですか！？」
セーターを脱がされシャツを剥がれ、何が何だかよくわからないままに真新しい服に着替えさせられる。流石にズボンは自分で履き替えるからと抵抗したら、なんとか後は自分でこなすことができた。
皺ひとつない半袖のワイシャツ、黒のズボンに赤のネクタイ。ズボンの裾には金のラインが二本入っていて、鏡で見たらまるで軍服。茶色っぽい学校指定の革靴だけがなんだか妙に浮いてて、微妙な気持ちになった。
顔を洗い、メイドさんにブラシで髪を整えられ、手を引かれるままに部屋から出る。
廊下にかかった時計をチラリと見ると、いつも家で起きる時間をとっくに過ぎていた。…昨日夜更かししたからかな。
暫く小さい子みたいに手を引っ張られていると、やがて黒い重々しい雰囲気のドアの前に案内された。
『中で総統様がお待ちです。』
「……？えっ、と、入っていいんですか？」
『？…どうぞお入りください』
手で指し示されて、ごくりと唾を飲み込む。自然と肩に入る力を逃して、それから、金色の取っ手に手をかけゆっくりと押し上げた。
ぎぃい、と重々しい金属音。全体的に黒っぽい、けれど上品な調度品の並べられたシックで広い部屋。
その真ん中、その奥に、そのひとはいた。
『初めましてお客人、私の名前はグルッペン・フューラー。
この国の総統で、軍の総司令官でもある。』
窓から差し込む陽に照らされ、きらきらと輝く金髪。
人を射抜く様に鋭い、驚く程に鮮やかな青い眼。
言葉は相も変わらず解らないが、響く声はとても低く、大きくはないのに良く響いた。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
