第十五話 tn視点 ページ16
「まあ多分、“保護”になると思うわ。」
「ええんかトントン？素性も何もわかっとらんのやろ？」
「分からんからこそや。勿論客室からは必要以上に出したりはせえへん。」
不審者1人にここまでぴりぴりしているのには、ちゃんと理由がある。
それは簡単に言えば、最近隣国たるα国の動きが不穏になってきているからだ。
長年の同盟相手とは言え、ここ数年はあまり良いとは言えない噂も聞く。何処ぞの非合法組織を取り込んだとか、領土拡大を企んでいるとか。
此処wrwrd国の規模は大きく、そして軍事国家だ。正直今すぐ攻撃されても逆にやり込める自信はあるが、非合法組織云々が本当なら相手の力は未知数となる。その上、まだ調査の段階だが、その組織の存在は段々しっかりとした現像を結び始めていた。
もし彼がα国のスパイだったら？α国でなくとも、この四季が巡る豊かな土地を狙う国は少ないわけじゃない。不穏分子は徹底して潰していく方針だった。
故にいくら無害そうに見えるとは言え、身元の調べがつかない内はまだ警戒を緩めることはできない。
敵意がない場合は、“保護”という名目でwrwrd国の監視下に置くことにする。もし御国の情報を吐くならばそれで良し、そのまま強制送還させる、というのが頭の中で描いた段取りだった。
「ふーん、ならええか」
と興味を無くした風にコップの酒を啜るコネシマ。
お前弱いんやからあんまり飲むなよ、と言うと、度数低いから平気やろ、と返された。
「幾ら知らん言語やからって、どっかの国の奴なら必ずボロが出るはずや…多分」
「多分て」
けらけら笑うシャオロンを横目で見つつ、取り敢えず今乗っている皿の中身を完食し、また追加でよそい始める。
ゾムに食害されません様にとひっそり願っていたら、あれ、と違和感に気が付いた。
「…ゾムは？」
「あれ？」
思わず近くに居たシャオロンに声をかけると、彼もやっと気がついたらしくキョロキョロし始める。
他のメンバーも俺の声で気が付き、そう言えばおらんな、と口々に喋り始めた。
「まあ、また訓練所ちゃうん？チーノもおらんし、稽古しとるんやろ」
「そういやエミさんもおらんな。ついに頭だけでなく影も薄くなり始めたか」
が、あんまり心配はしてないらしい。やいやい言っているうちに、この話題は流れていく。
あいつまさか、と引っ掛かりを覚えたが、まあええか、食害されないんならそれで。と頭を切り替えることにした。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
