六粒 ページ6
「へぇ、あんたクソ野郎じゃん」
ディアナは面倒臭そうに髪をクルクルといじった。自分の青い髪を手に巻きつけて、目の前の男の顔をみようとすらしない。
ディアナの反対側のソファに腰をかけている中年の男が、細いキリリとした目でジロリとこちらをにらんだ。
「なんだと？」
「え？」
煽るように、初めてディアナは彼をちろりと見た。
「私間違ったこと言ったかな？恩人が邪魔になったから、その人を殺すのってクソ野郎にすることじゃない？もしかして違うかな？私小さいからわかんなぁい」
頬を包んでくねくねと体を動かすディアナ。男がディアナを静かに睨んだ。ディアナはそれに笑いかけた後、やっぱり興味なさそうに今度は自分の爪を見つめる。
「私の気持ちがわかると言うのか？」
男は自分語りのように呟いた。しかしそれを、ディアナは聞くはずもない。
「ああもうそう言う自分語りとかまじでどうでもいいかな。ちなみにわかるわけないじゃん。私、さっきも言ったけど子供だよ？あんたよりも二回りも三回りも下なわけ。もうやめてよね、モラハラだかパワハラだか知らないけど面倒だから」
「その年上である私に敬意を払おうとは思わないのか？」
「んなわけないじゃん。てかさ、人殺せって依頼しにくるようなやつ、ソンケーとか出来ると思う？そうなら素晴らしい頭の持ち主だね。うらやますぃい」
はぁ、男が諦めたようにため息をこぼす。それを見て、ディアナは立ち上がった。
「んじゃま、指定の金額来週までに振り込んでね。よろしく」
帰っていいよ。そう男を見すらもせずにディアナは部屋の隅に歩いて出していた紅茶のカップを洗い始める。
「レナードが洗わないとすぅぐ怒っちゃうんだよねぇ」
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作者名：お好み焼き屋 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年12月11日 23時
