三粒 ページ4
「で、依頼人はなんて」
疑問符をつけずに、黒髪の男は問うた。その腕の中で、先ほどの青い髪を持つの少女はニパニパと笑う。
「んっと、夫の浮気相手の調査だって!」
「ここは探偵事務所じゃねーぞ。浮気調査って……」
なんで受けたんだよクソガキ、とくすんだ茶髪の男は軽く、だけれどどこかふざけたように少女をにらんだ。そんな黄緑の瞳をやはりニマニマと見つめ、そして黒髪の男にがしりとしがみつく。
「ロゼ〜!レナードが意地悪するぅ」
わざとらしく甘ったるい声を出す少女に黒髪の男、ロゼリア・ロシークはその頭を撫でて軽くいなす。少女は嬉しそうにロゼリアの体に身を任せ、自慢げにくすんだ茶髪の男、レナード・アンダーソンを盗み見た。
「お前なぁ〜」
レナードは少女に近寄って、その青の髪をくしゃくしゃと撫でる。
「わわ、やめてよぉ!」
そう言いながら少女はロゼリアの膝の上から飛び出して、レナードから逃げ始めた。
「羨ましい……」
その横で、緑色の髪の男がぎりりっと奥歯を噛む。
「……」
ふぅっと、その光景を見つめながらロゼリアはため息をこぼした。なぜだろう、話がまとまる気がしない。そう思って、腕を組んで、やっぱり光景を見つめる。アホが一匹、二匹、それからもう一匹……。
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作者名:お好み焼き屋 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年12月11日 23時