24話 ページ27
超記憶力症候群。
本人自身が半永久的な記録媒体であって、
記録を一生消すことはない。
レコーダーとかなら、かなり優秀だが、それが人間の記憶なら当然話は変わってくる。
忘れたいことさえも鮮明に、詳細に、
思い出すことができてしまうんだろう。
いつだったか、放課後の教室で1人でいるのを見かけたことがある。
教卓に腰をかけてどこか遠くの一点を見つめていた。
暮れだした夕陽が、イクをどこかに連れて行ってしまう気がして怖くなったが、
同時に、いつもと違うイクを独り占めできてる優越感も感じてた。
その時の憂いているような、
黄昏てるような、そんなイクの横顔は
息を呑むほど儚くて、ひどく綺麗だった。
何でそんなことを今思い出すのかは不思議だが、その時からどこか影のあるような、何かを諦めてるような表情をしていた。
悩みというほど思い詰めている表情はしてなかったが、
少なからずこの超記憶力症候群というものも一因なんだと思う。
ダーマ：悪い思い出も忘れたり、笑い話になるけど
お前はそれも忘れられないんだろ、チートでも弱点あるんだな
ンダホ：悲しいことの方が人生において多いいんでしょ？俺は耐えれないかも。よく頑張ってるよ！
ぺけたん：俺寝れば基本忘れれるからいいけど、覚えてんの嫌だなぁ。
ザカオ：いいとこもあるけど悪いとこもあんだね。俺イクのことめちゃくちゃ羨ましいって思ってたけど、それは辛いね
マサイ：おれ色々考えがちだから、もしそんなんだったら笑えなくなるな......
モトキ：今日で少しでも肩の荷がおりてくれたら嬉しいな
シルク：そーな。人間そんな、強くない。頼りたい時に頼れる仲間がいるってことも覚えておけ。
イクの耳を、目を、心を、通過してきたものは全部、
記憶として、これからもイクの中に生き続ける。
俺らの忘れた記憶や、忘れたい記憶、イクの記憶全てをいつか知ることができたら、
俺らは更にお互いを慈しむことが出来るんだろう。
最後のシルクの言葉にくしゃっ、と目を細めて
イクは小さく笑って答えた。
イク：うん、ずっと、覚えておく。
耳と頬をうっすら赤くしながら、無邪気に微笑むイクに
たまらなく愛おしさが、溢れ、
俺の両の腕で閉じ込めたい衝動が全身を駆け巡る。
本題であったトランプの順番当てをイクは見事成功させ、長かった質問コーナーがようやく終わった。
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suga(プロフ) - 奏さん、コメントとご指摘ありがとうございます！励みになりました！使い勝手がままならないので、再度あるかもしれませんが、その都度直したいと思います！本当にご覧頂きありがとうございます。 (2019年12月21日 21時) (
レス) id: 39a88c02ba (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 初コメしつれいします！面白かったので一気に読んでしまいました！！これからも御自分のペースで更新頑張ってください。誤字というかミスだと思うのですが名前が活動名と一緒になってしまっています。把握お願いします (2019年12月21日 1時) (レス) id: c5346e137e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suga | 作成日時：2019年11月17日 20時
