6話 ページ9
A「ウェンティ……!」
ウェンティ「A。まだ生きていたんだ。」
A「アルベドが私をまた造った。どうして……不死の呪いは魂にだけ。鎮魂してくれれば私は死ねる。どうして彼は、私を殺さないの?」
ウェンティ「好きな子には、生きていて欲しいと思うでしょ?」
A「あれは好きという感情で収まるものではないわ。彼はとっくの昔から狂っている。こんなの、束縛よ。」
ウェンティ「じゃあ、ボクが殺してあげようか?」
A「できるの……?」
ウェンティ「あんまりやりたくないけどね。それが君の願いなら、モンドの神として叶えてやらなきゃ。」
A「あり、がとう……」
ウェンティ「わ、ちょっと、泣かないでよ!」
ウェンティは、私を星拾いの崖へ連れていった。
私はウェンティに言われ、手を合わせて目を瞑り、祈願した。
すると、風が私の身体を包み始めた。
不思議な感覚であったが、自然と心地よかった。
身体は、足の末端から徐々に崩れていく。
ウェンティ「風に身を任せて。」
遠くから、声がした。
それは聞き覚えのある、愛おしくて憎い声。
アルベド「A……!、」
彼がこちらへ向かってきた。
ウェンティ「彼女は確かに不死身と変わらなかった。けど、精神はもうとっくに身体に追いついていなかったんだよ。」
アルベド「A……。っA……!!」
ウェンティ「こりゃ聞いてないね。現実を見て、アルベド。君の中の彼女はもういない。」
アルベド「……Aが、それで幸せなら。」
A「アルベド……?」
アルベド「ボクの気持ちなんて、どうでもいい。」
A「そんなこと言わないで、アルベド。気持ちは生きるための大事な要素よ。それを失わないで。」
アルベド「……っ!」
Aの身体は腰まで崩れていた。
彼女はボクを手招きし、その両手をボクの背中へ回した。
そしてボクの肩へ顔を埋めた。
A「この500年、ありがとう。アルベドが居てくれたから、私は生きれた。偽りだとしても、あなたを愛した事実は変わらない、」
アルベド「……。」
A「ふ、ふふ。泣かないで、アルベド。」
そう言いながら、彼女はボクにキスをした。
そして、身体は全て崩れた。
アルベド「……え、。」
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芋煮(プロフ) - mさん» ふぁっ!?コメント気づかなくてすみません😭ありがとうございます!透明感ある感じを目指したかったので嬉しいです笑 (6月21日 7時) (レス) id: 59221f80a5 (このIDを非表示/違反報告)
m - 度々コメントすみません。二箇所ほど誤字衍字があると思いますが、笑って許してやってください…。長々と読みにくいコメント、失礼しました。 (6月11日 23時) (レス) @page10 id: 12017230f1 (このIDを非表示/違反報告)
m - コメントコメント失礼します。とっくに完結されていますが、完結おめでとうございます。最後まで、素晴らしく綺麗なお話でした!死ネタ切ない感じが凄く大好きなので、この作品に出会えたこと嬉しく思います。お疲れ様でした。 (6月11日 23時) (レス) @page10 id: 12017230f1 (このIDを非表示/違反報告)
芋煮(プロフ) - 1000hitありがとうございます!良ければコメント下さると作者が喜びます。 (5月14日 16時) (レス) id: 59221f80a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋煮 | 作成日時:2023年4月12日 0時