イライラ ページ7
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私は男は2種類いると思ってる。
ひとつは馬鹿な男。
もうひとつは冷静な男。
少しでも咲良に興味を持てば、そいつはもう馬鹿な男だって思ってしまう。
あんな見え見えの罠に引っかかるなんて。
「…あー、イライラする」
みんなが飲み終わったボトルを洗いながら、モヤモヤも洗い流そうとする。
…そんなことできないんだけどね。
私の友人や知り合いで、咲良から想い人を取られた人は少なくない。
ちょっとでも、噂でも「あの子同じ部活の先輩が好きなんだって」っていう感じのが咲良の耳に入ればもう終わり。
数日後、長くて1週間後くらいには、その男は咲良のことが好きになってる。
…久原だって、そう。
咲良と仲良くなりたての頃、恋バナになって、ずっと久原が好きだって話をすれば、1週間後には付き合ってた。
普通にびっくりして、ショックで。
ああ、思い出しただけで泣きそう。
まさか石川くんにまで…。
すごいよほんとに。
その積極性は素直に尊敬する。
ただあんた、久原をなんだと思ってんの。
「…って言ってやりたいんだけどなぁああ!」
柳田「なんて?」
「うおっ!ギーダ!」
柳田「ギーダ?誰だよ。俺?」
「いやいやそんな滅相もない!」
柳田「…よかった、元気じゃん」
「…?げ、元気ですが?」
洗剤の泡まみれになったスクイズボトルを両手で持って首を傾げれば、そうじゃなくてって微笑むマサさん。
おう…、イケメンすぎて目眩がする。
柳田「さっき、「石川くん」って言ってただろ」
「ああ、うん…」
柳田「祐希が気にしてた。俺なんかしたかなって」
「…いえ、私の石川くんに対する見方が変わっただけです。お気になさらずって伝えててください」
柳田「見方、ねぇ?」
ふんって嫌味な笑い方をするマサさん。
でもね、マサさんだからか全然嫌味じゃない。
むしろご褒美。あざす。
柳田「じゃ、昼飯一緒に食べよ」
「…今何時?」
柳田「もう昼休憩。お前を誘いに来たの」
「やだマサさん好き」
柳田「…Aって誰にでも好きって言うよな」
「あー、確かに。口癖?みたいなもんです」
柳田「口癖が「好き」って…」
急いでスクイズを洗って、食堂に行く準備をする。
マサさんは出口のところで待っててくれた。
スマートだなー。モテそう。
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花(プロフ) - コッペパンさん» !?!?ありがとうございます…泣泣めちゃめちゃ嬉しいお言葉…!これからもがんばります!! (2021年8月6日 8時) (レス) id: 6782c8e9bf (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン(プロフ) - 主様の小説が好きすぎてたまりません。久原くんと男好き悪女と夢主。むっちゃスカッとしましたーー。これからも頑張ってください。 (2021年8月6日 7時) (レス) id: 35bad60104 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - もかさん» もかさああん!!ありがとうございます!!!いやぁ、嬉しいです…!ありがとうございます!!すぐ次回作準備致しますので少々お待ちくださいね!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
もか - 花さ〜〜〜ん、お疲れ様でした!!悪女退治してスカッとしつつキュンが止まらないという、この、自粛期間にはもってこいのお話でござんした!!次も楽しみです!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: 2e737efd69 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - まっちゃんさん» ありがとうございます、恐縮です…!! 次回作もすぐご用意しますのでお待ちください!!!!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2020年4月11日 20時