絶句 ページ23
・
違う、違うよ。
そんなんじゃない。
全然仲良くなかったよ。
そう、呟くように言って、涙が零れた。
辛い。
苦しい。
山内｢…なんで泣くの｣
｢ごめっ、ごめんね、｣
山内｢違う。謝って欲しいわけじゃない｣
｢でも私にはっ、謝ることしかできないよ｣
山内｢…｣
｢ごめん｣
山内｢…わかった｣
そう言って、晶大が私の手を離す。
どうしよう。
思ったよりも晶大の勘が鋭い。
なんて誤魔化せば…。
そんなことをぐるぐると考えていると、｢じゃあさ、｣って言った晶大が近くに来てしゃがんだ。
…近い。
山内｢…友だちになろう｣
｢…へっ？｣
山内｢それならいいだろ？｣
｢いい、けど、なんで？｣
山内｢友だちになりたいからじゃダメなの？｣
｢…別に｣
山内｢ならいいだろ。だってお前、ヒコとかマサとかとも仲いいじゃん｣
｢…なんで知ってるの｣
山内｢あ｣
あからさまに｢やべっ｣って顔をした晶大。
…なにがやばいのよ。
すると、慌てたように｢友だちと仲がいい女とか気になるだろ！｣って吐き捨てるように言った。
ああ、なんだ、そんなこと。
でも、…でも。
｢…山内くんは、私と関わらない方がいいよ｣
山内｢…なんで｣
｢それは、その…｣
山内｢答えられないなら聞けない。俺は、お前と友だちになる｣
｢…ダメ｣
山内｢だから、なんで？｣
｢いっ、嫌なの！｣
山内｢嘘ばっかり。俺から逃げたいだけだろ｣
｢…｣
山内｢なら逃げればいいよ｣
｢え、｣
山内｢逃げ切れるならね？｣
｢…｣
絶句。
晶大はニヤッと笑う。
…そこまでして、私にこだわる理由はなに。
そう聞きたいのに、言葉が出なくて。
家まで送るって言われて手を掴まれる。
そのまま歩く晶大に、とぼとぼとついて行くだけの私。
どうする、本当に。
今のところ私を思い出す感じはしないけど、思い出そうとしてるのは確かだ。
山内｢お前ん家、どの辺｣
｢…すぐそこ｣
山内｢…ここ、俺ん家なんだけど｣
｢…私の家、ここ｣
山内｢隣？うっそ、マジで？｣
｢…｣
山内｢…やっぱさ、俺ら｣
｢あー、もう、ここで大丈夫。ありがとう山内くん｣
山内｢…｣
｢じゃあ、おやすみ｣
山内｢…おやすみ｣
晶大のスマホに入ってる私の存在は、マサくんたちが消してくれた。
LINEも、写真も、電話番号も。
…だから、必要以上に関わらなければ、きっと大丈夫だ。
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(名前)あやか(プロフ) - 続きを待ってます！お願いします (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 6c19d02f23 (このIDを非表示/違反報告)
ぷいん - いつか更新されることを願ってます…！ (2020年12月12日 10時) (レス) id: fe96328630 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 00xxxx1さん» 本当ですか！！！！嬉しい、ありがとうございます！！ 更新頑張ります！！！！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
00xxxx1(プロフ) - 毎日更新楽しみにしています！！花さんの書くお話の中でもこれが一番好きになりそうです！！陰ながら応援しています！ (2020年5月20日 0時) (レス) id: 1f1bcc4b1b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - ゴンさん» えぇ！？そんなそんな！！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ゴンさんのためにー！！！！ (2020年5月16日 17時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花
| 作成日時：2020年5月11日 10時
