＊colorless19 ページ20
No side
とある犬は走っていた
飼い主を守る為に
助けてくれる人を探す為に
彼女よりも3年早く生まれもう老いているその犬は
ただ彼女を助けたいがために走っている
すると何処からか彼女と同じような匂いがした
？「キャー、かわいぃ♡」
？「桃っち、乃亜の家って何処なんスか？」
その名前に犬は反応した
飼い主と同じ名前の人
匂いも一致する
ならきっとつい先程まで彼は彼女と一緒にいたのではないか？
そう思った犬は金髪の少年のズボンの裾を噛んで引っ張った
黄「うおぉ、なんなんスか」
黒「同類だと思われてるんじゃないですか？」
黄「ひどくないっすか？」
桃「それよりも乃亜を探さなきゃ」
赤「落ち着け」
緑「赤司、手に持ってるハサミを高速で動かすのはやめて欲しいのだよ」
赤「すまない」
青「つか乃亜ん家って何処にあんだよ」
紫「誰も知らないわけぇ〜？だめじゃ〜ん」
犬は吠えた
彼女の家へと導く為に
少し進み彼らを振り返る
桃「あの犬追いかけてみよう」
黄「何でスか？」
桃「直感」
黄「…」
桃「みんな行かないなら、私だけでも行くから」
桃色の少女は犬を追いかけ始めた
そして犬は近づいてきた彼女に道案内をするように進んで行く
彼女を追いかけるように進む少年たち
なんともシュールな図だろうか
犬が立ち止まった場所は1つの一軒家
特に特徴がある訳でもない
ただの一軒家である
犬は玄関のドアをカリカリとかいた
桃色の少女はドアノブを回す
青「おい、一応他人の家だぞ」
桃「この子がいるから大丈夫だよ」
ずんずん入っていく少女に付いていく少年たち
リビングと思われる場所から声が聞こえる
若い少女と男の声
少女の声に誰もが反応した
『離せ』
「生意気言うな」
『前髪は大切なんだよ、お前ごときに切られるかッ！！』
「うるさい、黙れ！！」
足元の犬が吠える
「助けでも呼んできやがったのか」
『コロン！！』
彼女に抱きしめる前に男に蹴られ
壁まで吹っ飛んでいった
そして動かなくなってしまった
少女の目から涙がこぼれ落ちる
「前髪切るだけに暴れるな」
『……』
「やっと大人しくなったな」
廊下にいた少年たちは男に殴りかかって戦闘不能にしてしまった
少女は絶望していた
彼らが来たことに
そして意識を失ってしまった
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作者名：3K猫 | 作成日時：2018年1月26日 7時
