【d！】花言葉の能力者。【軍パロ】 (ページ4)

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「能力は本人にしか分からないからな…

せめて花言葉さえ分かれば、あとは唱えるだけだから分かるんだけど…」

彼岸花の花言葉、
そんなの分かるわけがない、詰んだ。

「まぁ、そのうち分かるよ、焦らずにいこ」

「…そうですよね」

そう言って長い袖を伸ばして彼岸花を隠した

「そういえば、さっき兄さんが言ってた能力を思う存分使える居場所って何処ですか？」

「それはいまから向かってる場所」

そういうと重い腰を持ち上げ歩き始めた
既に太陽は真上にきてて兄さんの首には再びストールが巻かれていた

「大丈夫あいつらは最初は威嚇してくるかもしれないけど根はいい奴らばっかだから、きっと仲良くなれるよ」

「威嚇って、犬でもいるんですか…？」

「…いないことはないよ、狂犬が二匹ほど」

そういって冗談めかしく笑った
きっと兄さんの言う狂犬が比喩であることは十分に理解できたが、少し不安になった

「犬は嫌い？」

「いや、動物は好きです、癒されますし」

「じゃあひとらんと気が合うかもね、僕もわんわんは好きだよ」

わんわん…？よく分からないが触れないでおこう、きっとまた疑問が増えてしまう

話を聞いているだけでも騒がしそうな屋敷だということは予想できる

しかし追求して聞くと訳の分からない問題が出てきてしまうので深く考えることは諦めた

「その屋敷に入るのは少し不安ですが、兄さんがいるならちょっと安心できます」

しかしそれを聞いて兄さんは顔をしかめた
何か不都合があるのだろうか

「自分はそろそろお屋敷とお別れなんだ
Aちゃんにはその穴埋めの意味で入ってほしくて…なんかごめんね」

お別れ？どうゆうことなのだろう
海外出張とかなのか、いや深く考えちゃダメだ

「大丈夫です、しかも命の恩人のお願いなら断れないですし、きっと大丈夫です！」

そういって笑顔を見せた

「Aちゃんの笑顔はじめて見たかも、笑ってた方が可愛いね」

「あ、ありがとうございます」

恥ずかしさから、一本道で道も何となく分かるため、兄さんの前に出て前だけ見るようにして歩いた

すると今までの森からだいぶ拓けた所に出た

そして真ん中には真っ黒にそびえ立つ、お屋敷と呼ぶにふさわしい立派な建物ががあった

「兄さん、これですか？
すごい…思ってた何倍もでかいです！！」

しかし後ろから声が帰ってくることはなかった

「…兄さん？」

後ろを振り向くがそこには人影はなく

　
　
ひっそりと枯れているアサガオがあった