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降谷零side〜
コナンくんが強盗犯に誘拐された後、ベルモットから着信があった。
「一応信頼は得たようだけど…私との約束は、守ってくれるでしょうね。」
「無論…当然ですよ。」
「それと…あんまりハメを外しすぎないようにね?」
彼女の目線の先には、蘭さんたちに支えてもらっているAさんがいた。
「ええ…勿論ですよ。」
「本当…罪深いわね。バーボン」
思わず目を見開く…が、ポーカーフェイスを保ちバーボンになりきる。
彼女との通話を切り、もう一度Aさんを見ると、どこか遠くを見ているように感じた。
まるで…自分の存在を消そうとしているような…
「気のせいか…」
1人ごとのようにつぶやきもう一度彼女のほうを見ると、警察の人と親しげに話し、車に乗り込む姿を見送った。
それからしばらく彼女がポアロに来ることはなかった。
だが、数日たったある日…彼女はひょっこりと顔をのぞかせた。いつもの定位置に案内すると、コーヒーを注文した。
彼女の様子を垣間見ると本を開くことはなく、携帯を開いていた。何やら寂しげな表情で文字を打ち込む彼女に、声をかけた。
「メール…ですか?」
彼女は、肩をピクリと揺らし曖昧に返事をした。
「…では、なぜ送信しないんですか?」
『見てたんですか…?』
そう。彼女は送信することなく、保存しただけだった。
『まあ、日記みたいなものです。少しでも記憶を取り戻す手がかりになるかなと…』
と言って彼女は、へらりと笑った。おそらく…記憶喪失というのはフェイク…だが、なぜそれを隠す必要がある?
「日記ですか…ですが、僕には誰かに話しかけているような文面に見えましたよ?」
『覗きは犯罪ですよ?』
彼女の言葉に肩をすくめた。すると、彼女は諦めたようにこう言った。
『送ることが…できないんですよ。送る場所が存在しない文面…』
彼女が画面を見る目は、寂しげであの日と同じ表情をしていた。どこか遠くを見つめている…そんな目だった。
なんて声をかけるべきか迷っていると、彼女はクスリと笑い、なんて顔してるんですか?
と戯けて笑った。
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レリア(黒赤蓮梨)(プロフ) - 美都さん» 最後まで閲覧してくださり、ありがとうごさいました!!そう言っていただけるなんて感無量です!!私にはもったいないお言葉で…とても嬉しく思います!本当に応援して下さり、ありがとうごさいました(^^) (2017年10月8日 22時) (レス) id: 4816739c93 (このIDを非表示/違反報告)
レリア(黒赤蓮梨)(プロフ) - ノアさん» ありがとう!ノアちゃん!そう言ってもらえるだけで本当に嬉しいです(*^_^*)ありがとう!最後まで閲覧して下さりありがとうごさいました!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 4816739c93 (このIDを非表示/違反報告)
美都 - 完結おめでとうございます!!すごく切なくて感動しました…!!また何度も読み返したいと思います(⌒▽⌒)! (2017年10月8日 21時) (レス) id: f8e00b0820 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 完結おめでとう!終わっちゃうのは寂しいけど凄くいい作品でした! (2017年10月8日 14時) (レス) id: 1927fe488d (このIDを非表示/違反報告)
レリア(黒赤蓮梨)(プロフ) - ブルーパープルさん» ありがとうごさいます!前作もコメントして下さいましたよね? 汗 とても嬉しいです!!最後まで閲覧してくださりありがとうごさいました!! (2017年10月8日 12時) (レス) id: 4816739c93 (このIDを非表示/違反報告)
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