君の幸せを、ずっと【学園アリス】Part4 (ページ6)

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嵐の後にページ6

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長い廊下にかかる赤い絨毯。

いつもより重苦しい雰囲気が、建物の至る所から感じる。

ただでさえ、非アリス(葵ちゃん)軟禁の疑惑を否定しなかったというだけで、生徒や外部からバッシングの嵐。
それに加えて、ペルソナの失脚。中等部校長からの圧。

視力回復の最終検査を終え、重い足で向かう。
久しぶりに外の世界を見た私には、酷く暗くなって見えた。

『失礼します。校長先生』

入室した矢先、勢いよくこちらを向いた初校長は、その幼い見た目に似合わない、少し疲れた顔をしていた。

『大変そうですね。日向兄妹の件ですか？』

「視力が回復しただけで、随分と威勢が良くなるものだな」

私がここに呼ばれた理由も、分かっている。
またどうせ、自分の治療のために、私にアリスを使わせるために呼んだんだ。

『残念ですが、私もまだ本調子ではなく、アリスをコントロール出来ておりませんので』

こんな人に2度と屈するものか。

私を地下牢に入れた日、この人はお母さんのことを口走った。もちろん反省した態度で取り入ることも考えた。
でも、日向くんを、葵ちゃんをあんな目に合わせた人になんて、2度と負けたくない。

決めたんだ。お母さんのことは、自分で探し出す。

「……………あくまで反抗的な態度は変わらない、と」

『今回の件で目が覚めました。もっと早くこうしていれば良かったです』

「君は何か誤解をしているようだ………ふふっ」

誤解？何がおかしい？そう言ってやりたかった。
けれど、初校長の目には出任せでない、何か確信めいたものがあった。

「今はそれで構わない。私も、視力を取り戻したばかりの生徒にアリスを使わせるほど、落ちてはいないからね」

ゆっくりと椅子から立ち上がり、初校長は笑みを浮かべたままこちらへ向かってくる。

そして、私の前に立ち、口元に人差し指を当ててきた。その顔は今までより、もっと引き込まれるような深い恐怖を煽ってくる。

「ただ。君に一つ良いことを教えておこう」

『……………………っ！！』

今日は久しぶりの登校日。
年始から授業だった皆より、少し遅れての今年初登校。

教室の前へ着いても、あの声は私を縛って離さない。

頭を振って、少し懐かしい扉へ手をかける。

扉を開けた先に待つ友人に早く会いたかった。

"君はまたすぐに僕を頼るよ。この先、君は一生、僕しか頼れないんだ。"