君の幸せを、ずっと【学園アリス】Part4 (ページ4)

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幸せページ4

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「ぎゃーーー！なにすんねん棗！擦りむいたやんか！！」

声の位置からして、蜜柑ちゃんはだいぶと爆発で飛ばされたようだ。私も少し風に煽られ、尻もちをついてしまった。

『蜜柑ちゃん怪我したところ治すよ〜』

平衡感覚もなく、生まれたての子鹿のように立ち上がる。
日向くんも……好きな女の子を吹き飛ばすなんて、ひどいことするなぁ。

『……………っ』

口元に表情が出ないように、グッと力を込めながらフラフラと歩き始める。

流架「春井、大丈夫か？」

乃木くんの声だ。パタパタと駆け寄ってきてくれる辺り、彼はやっぱり優しい人だ。

流架「よかった、元気になって。退院おめで」

『ねぇ乃木くんって、"星なしなり損ない"なんだって？』

流架「なっ！！！なんで、誰からっ！？」

よっぽど恥ずかしいのか、乃木くんの声の音量がすごい。
過敏になった耳がキーンとする。

乃木くんは、葵ちゃんお見送り後、花姫殿の件でまた目をつけられたかもって落ち込んでた蜜柑ちゃんのために。

普段つけてなかった星バッチをわざわざポケットから出して、遠くにぶん投げたらしい。

『かっこいいね』

流架「ちっ、ちがっ」

心「そう！そこで一言！」

キツネ「"これで俺も星なしだ。佐倉と一緒だ・・・"」

心「流架くんやるね〜」

流架「おっお前ら〜〜〜！！！！」

いつのまに現れた心くんとキツネ目くんは、すっごく楽しそうに乃木くんをイジっている。声がウキウキだ。

『ふふっすごいね』

流架「は、春井までっ！！」

『私も、"暖かく見守る会"入会しようかな』

翼「入会受付はこちらで〜す」

美咲「新規会員随時募集中だぞ〜」

流架「おいっ！！！！」

こちらもいつのまに、翼先輩と美咲先輩の声だ。"暖かく見守る会"は本当に穏やかそうに乃木くんを愛でているな。

美咲「和奏ちゃん、身体は大丈夫か？」

『はい、もう元気です！ありがとうございます』

翼「そっか！あんま無茶んすんなよ〜」

翼先輩と美咲先輩が頭を撫でてくれる。もっと元気になったら遊ぼうな、とかたくさん声をかけてくれる。

私、やっと外に出られたんだな。

皆がいる。私の周りにはこんなにたくさんの人がいるんだ。
それが嬉しくて。

寂しかった牢とは比べ物にならない、今この時が大好き。