瞳 ページ27
どんっ。
後ろからの衝撃で、終夜はよろめき倒れた。
「ごめんなさい終夜！あなたが小さくて見えなかったわ〜」
と、悪気はないのだろうが心にささる一言にショックを受けながら、
終夜は後ろを振り向き「大丈夫」と一言返事をした。
その瞬間、「きゃあぁぁぁぁぁぁ！！」という男の声が聞こえ、
男の声だからこそ、まぁまぁホラーに近いそれを聞きつけてやってきたのは幹部の４人だった。
そして、その男の目の前にいる終夜は、そのホラーを目のあたりにして
小さなカルチャーショックを受けて思わず下を向いた。
「んだぁ？きもちわりー声出しやがって」
ルッスーリアを見てスクアーロは言った。
「てか、終夜お前のきもい声聞いて倒れ込んでんじゃん」
とベルも言う。
興奮した様子でルッスーリアが言う。
「それは、私がぶつかっちゃったからよ！
それより、終夜の目をみてちょうだい！」
ルッスーリアが言い、マーモンがふよふよと終夜に近づいた。
「終夜？大丈夫かい？」
そう聞かれ、我に帰ったように終夜は顔をあげた。
「うん…ちょっとビックリしちゃって・・・ってみんなどうしたの？」
息を飲むような驚き方をする面々に、終夜は驚く。
「おまっ・・・お前、目が」
スクアーロは動揺を隠しきれない様子で言った。
それもそうだ。今の終夜の目の色は、ヴァリアーにとって心臓であった彼の色。
なにも分かっていない終夜に、マーモンは鏡を取り出し、終夜に渡す。
「君の目、片方だけ赤色だけど・・・」
というマーモン。
鏡を見て、「あっ」と終夜は小さく声を漏らす。
「どういうこと？」
ベルの尋ねる声に、終夜は答える。
「えっとね、この黒色の目、本当はコンタクトなんだ・・・」
そう言って、終夜はもう片方のコンタクトもとる。
先ほどまでは、漆黒の瞳が、綺麗な深紅へと変わっていた。
その色に思い出深い面々は、渋い顔だった。
「本当は、誰にもみせたらダメってお父さんから言われてて・・・。
毎日つけなさいって、渡されてるんだ・・・」
ポツリポツリと終夜は経緯を話した。
「似てんなぁ」
スクアーロが呟いた。
誰に？そう聞く前にベルが口を開いた。
「ボスも紅い目だったんだぜ」
哀愁の混じった声に「え」と終夜は言った。
みんなが慕っていて、今は眠っているボス、と？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京夜(プロフ) - ネアレ殿さん» うわーっ！ありがとうございます！今はテスト週間という恐ろしい時期なので、更新が遅れそうですが、終わったら書いていきます！応援ありがとうございます(｀･ω･´) (2016年11月20日 9時) (
レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
ネアレ殿(プロフ) - 新作おめでとうございますヽ(*´∀｀)ノ作品更新無理をしない程度に頑張って下さい(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!!応援してます(*⌒▽⌒*) (2016年11月20日 1時) (レス) id: c0475fe362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：京夜 | 作成日時：2016年11月17日 19時
