ヴァリアー ページ19
「ん？」
銀髪の人は私に気付いたのかこちらに近づいてくる。
そして背中を曲げ身をかがめて、ベルの後ろにいた私と目線を合わせる。
鋭い目で見つめられ、私はどうしようもなくベルの袖を掴んだ。
「おい、ベル。こいつ誰だ」
さっきの怒鳴るような声ではなく、うなるような低い声だった。
「さっき、オレが助けてやった奴。
こいつ、オレが切り裂くのみて「きれい」って言ったんだぜ？
面白かったから連れてきた」
ベルの言葉に銀髪さんが顔をしかめる。
「お前・・・今がどういう状況か分かって言ってんだろうなぁ？」
殺気のこもった声で銀髪さんが言うが、ベルはひかない。
「だからこそ、だよ。今は人数が少なくて困ってるんだ。
こいつ結構素質あるよ。いまのうちに鍛えれば幹部も間違えなしじゃん？
うししっ、王子てんさ〜い」
「てめぇ・・・」
銀髪さんが何かを言おうとしたとき、先ほどまで黙っていた赤ん坊が口を開く。
「まぁ、ベルが言うことも一理あるんじゃない？
ボスが帰って来たとき、今みたいに戦力がないのは困るだろ？」
赤ん坊に言われ、黙る銀髪さん。
赤ん坊ってこんな感じだったっけ・・・こんな喋れただろうか？？
もしかしてこの子も、私と同じ前世の記憶があるのだろうか。
「いいんじゃな〜い？
ベルが連れてきたんだし、絶対何か見込みあるわよ」
ゴツいオカマさんがクネクネしながら言う。
「こんな小さいガキを入れるだと！？オレは反対だ！
それに、何も見いだせずに逃げたらどうするんだ！」
男がいうと、ベルが「こいつ９才だしオレが入隊したときより年上だぜ」
「あらぁ〜、やっぱりジャッポーネの子って幼く見えるのね。
まぁ逃げちゃったら殺せばいいじゃない？」
笑いながら言うオカマさん。
まるで当然のように言った「殺せばいい」の言葉に身を縮める。
普通、本人の前で言わないだろう・・・。
オカマさんの言葉に、唸っていた男も黙った
さっきから鍛えるとかなんだとか・・・ここは何をする場所なんだろう。
深い沈黙を破るようにベルが笑った。
「じゃあ、きまりな。うししっ。
今日から終夜は暗殺部隊ヴァリアーに入隊ってことで」
銀髪さんは鋭い目で、赤ん坊は無表情、
オカマさんは笑みを浮かべ、男は納得いかなと顔をしかめていた。
まるで、「しょうがない。入れてやるか」という
まとまった雰囲気を壊したのは誰でもないこの私。
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京夜(プロフ) - ネアレ殿さん» うわーっ！ありがとうございます！今はテスト週間という恐ろしい時期なので、更新が遅れそうですが、終わったら書いていきます！応援ありがとうございます(｀･ω･´) (2016年11月20日 9時) (
レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
ネアレ殿(プロフ) - 新作おめでとうございますヽ(*´∀｀)ノ作品更新無理をしない程度に頑張って下さい(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!!応援してます(*⌒▽⌒*) (2016年11月20日 1時) (レス) id: c0475fe362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京夜 | 作成日時：2016年11月17日 19時
