金色 ページ15
その瞬間、男の力が抜け、私はその場におろされた。
金色によって、男たちが切り裂かれていく。
金色は楽しそうだった。
狂ってる。
喉が乾いて、声がでなかった。
あまりにも残酷な風景にも関わらず
「綺麗だ・・・」
そう思ってしまった。
声が掠れていたが、一応でた。
終わったのか金色は振り返った。
初めはイタリア語で何か聞いてきたのだが、私が日本人だと気付いたのか
日本語で話しかけてきた。
「お前、運がよかったな。
ここ、こいつら雑魚の縄張りなんだぜ？
オレが助けに来なかったら死んでたぜ？しししっ」
そうだったのか。
けど、助けに来たという割には、
私の目には殺す口実を見つけて獲物を殺したというようにしか見えなかった。
助けるというよりも、この男たちを殺すのが目的だったのではないだろうか。
「ありがとうございます・・・
失礼ですけど、本当に“助けに”きて下さったんですか？」
金髪は驚いたような表情をしてから、愉快そうに笑った。
「しししししっ。おもしれぇな、お前。
お前が考えてるだろう理由の通りだよ。オレ、殺し禁止令出てんだよね。
けど、お前を助けるためにあいつらを殺したとなると、いい殺しなわけ」
いい殺し、とは・・・。
まぁ、深くは突っ込まないでおこう。
「じゃあ、金髪さんは殺しが好きなんですね」
「あぁ、好きだよ。
だって、助けごう姿とか悲鳴とか切り裂く感触とか・・・最高だろ？しししっ」
「ははは、相当狂ってるんですね」
金髪さんはさも面白いものをみるように、また笑った。
「お前、さっき綺麗っていったろ？
お前も十分狂ってるぜ？しししっ」
その答えにはびっくりしたが、ストンと心に落ちたような気がする。
「そうですね・・・
私も狂ってるんでしょう」
すると、また金髪さんは笑いだした。
「しししししっ！
見たとこ一般人の日本人。なのに狂ってる。
最高じゃん、超おもしれぇ。しししっ」
「なぁ、オレお前のこと気に入った。
オレんとこ来いよ。どうせ行くとこねぇんだろ？決まりだ」
金髪男はそういって終夜の手をとって、担ぎ上げた。
一人は「面白いことになりそうだぜ、しししっ」と笑い
一人は「まぁ、いいか」と呟いたのだった。
「まわる、まわる。運命の歯車はまわる。
それにしても、彼女、茨の道を進むことになっちゃったねぇ〜。
まぁ、面白いからいいや」
一人、誰かが愉快そうに呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京夜(プロフ) - ネアレ殿さん» うわーっ！ありがとうございます！今はテスト週間という恐ろしい時期なので、更新が遅れそうですが、終わったら書いていきます！応援ありがとうございます(｀･ω･´) (2016年11月20日 9時) (
レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
ネアレ殿(プロフ) - 新作おめでとうございますヽ(*´∀｀)ノ作品更新無理をしない程度に頑張って下さい(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!!応援してます(*⌒▽⌒*) (2016年11月20日 1時) (レス) id: c0475fe362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：京夜 | 作成日時：2016年11月17日 19時
